郷土の偉人 天下の糸平を学ぶ（8月19日）

市は、駒ヶ根市出身の偉人である天下の糸平こと田中平八を学ぶ講演会を赤穂公民館で開き、約130人が聴講しました。この講演は、一代で財を成した豪商である糸平の足跡をたどり、郷土駒ヶ根への誇りを高める糸平フェスティバルの一環。本年度は「天下の糸平と経済小説で読む金融市場の昔と今」と題し、作家の幸田真音（こうだまいん）さんにお話しいただきました。

幸田さんは債権ディーラーや経済小説を執筆した経験から、後の東京証券取引所の設立に関わるなど、現在の金融市場の発展に貢献した糸平を紹介。「日本人はリスクをとることが苦手」としながらも「糸平はリスクをとるのが上手だった」と評価しました。また「糸平は情報を収集して分析する力や、市場に参加する人の心理を読む力などに長けていた」と説明。「外国商人が欲しい生糸の情報を聞き取り、生糸農家に先にお金を渡して安く買い付けるなど商才を発揮していた」と話しました。

講演の最後で幸田さんは「リターンにはリスクが潜んでいる。自分がとれるリスクかどうかを見極めるために、金融の基本的な知識を学んで身に着けてほしい」と会を締めくくりました。