木下 佳信さん 亜紀さん

「ごちゃまぜ」のコミュニティを楽しんで

木下
移住者プロフィール
移住時期 2016年3月
移住区分 Iターン
出身 福岡県
家族構成 夫婦、子供3人
職業 農家(りんごのきのした農園)

 

=駒ヶ根市に移住した経緯=

佳信さん:元々は独立行政法人国際協力機構(JICA)の職員として働いていて、青年海外協力隊の訓練所がある駒ヶ根のことは何となく知っていました。その後も、ネパールへ赴任していたときに駒ヶ根市役所から派遣されていた方と一緒に働いたり、趣味で駒ヶ根ハーフマラソンなどにも参加していたので、昔からこの場所とは何かしらのご縁があったのかもしれません。

駒ヶ根で初めて暮らしたのは2010年、仕事の転勤がきっかけでした。アルプスの山々に囲まれたこの環境がどこかネパールに似ていてホッとしたのを覚えています。また農産物がとにかく美味しくて、その時の感動は頭に刻みこまれていますね。

転勤生活が終わり東京に戻ったとき、世の中の情勢的な問題で仕事に行き詰まりを感じるようになりました。妻も生活がガラリと変わり、世界が急に狭くなって外出する機会も減ったことで日々の暮らしに物足りなさや窮屈さを感じていたようです。更に自分の体調不良も重なり、お互い徐々に気持ちの余裕がなったこともあり、自然と移住を意識し始めるようになりました。

 

=移住先の検討=

佳信さん:候補はいくつかありましたが、これまでの人脈、農業ができる場所、不便のない生活環境、何より駒ヶ根はJICAと関りが深くグローバルな教育ができる俎上(そじょう)があると感じ、最終的にここを選びました。青年海外協力隊の訓練所があるこの地域は、任期を終えた隊員が戻ってきてくれる可能性も高いので、農業分野の発展、人材育成、地域おこしの面において有利ではないかと思ったんです。

 

=駒ヶ根の印象=

亜紀さん:転勤で駒ヶ根暮らしをしていた当時、保育園児と赤ちゃんがいたのですが、あっという間にたくさんのママ友ができました。人口が少ない分、色んなフィールドで関わる人がオーバーラップしており、人との関係性が深く人脈も爆発的に広がりました。都会よりも生活圏のスケールがぐんと大きく、アクティブなコミュニティがたくさんあって、その繋がりがとても心地よかったですね。

 

=農家をやろうと思ったのは=

佳信さん:前職で農業の人材不足の深刻さを目の当たりにし、自分の経験を活かしながら日本の農業の根本的な問題に向き合ってみようと思い立ちました。そのためには、まず自分自身が人材の一人となることが必要だと感じ、移住とともに農家を目指すことを決意しました。

りんご農家は、経営効率の良さ、加工のしやすさ、作業時期に幅があることなどを考慮して選びました。6か月間、八ヶ岳の農業学校に通った後、2015年9月に市役所の担当から里親を紹介してもらって実際に農業を始めました。里親の方には単に農業経営や技術だけではなく、この地域での生き方や関わり方まで教えていただきました。農業のロールモデルのような方が身近にいてくださったことは非常に大きかったですね。

亜紀さん:転勤暮らしをしていた当時のネットワークからも色んなインプットをもらって、それが今の商品づくりなどに活かされていると思います。またこの辺は色んな加工所が近くにあって、「こんなもの作りたい」と思ったときに「いいよ」と言ってくださる環境があるのも、農家にとっては有難いです。まるで加工所銀座みたいな場所だなと思って。

 

=移住に際して感じたこと=

佳信さん:発展途上国にいたときに異文化やその土地の流儀を楽しむことということを学びました。移住も一緒で、地元の人と外から来た人が同じコミュニティに入る「ごちゃまぜ」が大切だと思っています。多少の摩擦もあるかもしれませんが、相手をリスペクトし、均一な社会ではなく異文化を楽しむことで新しいアイデアや価値が生まれていきます。

 

=今後の目標=

佳信さん:最近、長野県のSDGs(持続可能な開発目標)推進企業に登録していただきました。私自身の取り組みもまだこれからですが、「小規模経営でもできる」「小規模経営だからこそできる」持続可能な営農活動を考え、実践していきたいと思っています。農業分野では県内でまだ3例しかありませんが、いずれは自分自身が一つの農業経営モデルのようになって、農業の担い手不足を少しでも解消できたらいいなと思っています。

また、ここでの暮らしを見て体感してもらい、この地域を好きな人が増えたらいいなと思い、色んな人を招き入れるようにしています。今週末も学生さんが農業体験に来るんですよ。地域と繋がるネットワークを活かして、こまがねまるごとプロデュースのようなくらし体験塾をやってみたいです。

 

=移住を検討されている方へ=

佳信さん:あまり構えず、無理をせず、でも壁を作りすぎずに「ごちゃまぜ」の雰囲気を楽しんでもらえたらと思います。異文化を自分なりに咀嚼し“良い方向”へ持っていける人に来ていただけたら嬉しいです。

亜紀さん:田舎には仕事がないと言われますが、意外とあるんですよ。都会にはない面白い仕事、小さいけどニッチでやってみるとハマってしまうような特殊な仕事。前職に捉われず、何でもやってみようという気持ちが大事だと思います。

この記事に関するお問い合わせ先
商工振興課 移住・交流促進室

〒399-4192
長野県駒ヶ根市赤須町20番1号
電話 0265-83-2111(代表) 内線436
ファックス 0265-83-1278
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