市長施政方針

施政方針とは、市長が各年度において、市政運営の基本方針や主な施策の方向性を示すものです。

令和8年度施政方針(令和8年2月20日)

“誰もが自由闊達にいきいきと活躍する広場のようなまち”駒ヶ根

1.【はじめに】

本日、令和8年第2回市議会の開会にあたり、令和8年度予算案を始め、市政の重要な議案の提案説明に先立ちまして、市政運営に対する私の所信の一端を申し上げます。

「強者はしたいことをして、弱者はそれを耐え忍ぶ」

1月20日、スイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラム年次総会で、カナダのカーニー首相は、古代ギリシャの歴史家、トゥキディディスの言葉を引用して、大国の競争が激化しルールに基づく秩序が衰えつつある世界に、私たちは生きていると訴えました。波風を立てないよう、強者に迎合する傾向が強まっていると指摘します。

首相はカナダのような国を「ミドルパワー」とし、選択肢を考えます。そこで、チェコの思想家、ハベルが共産主義体制の存続した理由を説明した寓話を引用します。ある青果店が「全世界の労働者よ団結せよ」と看板を掲げます。信じてはいないが、トラブルを避けるためです。ほかの店主も同じことをしたから体制は存続しました。これをハベルは「嘘の中で生きる」と指摘しました。たった一人でも、その看板を取り外し演技をやめた時、体制はひび割れていくというのです。

今こそ、看板を取り外す時だと首相は呼びかけます。私たちは「ルールに基づく国際秩序」が部分的に虚構であることを知っています。国際法が厳格に適用されるかは、被告や被害者が誰であるかによって異なるのです。この虚構のなかで、アメリカが覇権を握り、安定した金融システムや集団的安全保障への支援も生まれました。だから、その看板を掲げ、儀式にも参加してきたのです。言葉と現実の隔たりを指摘することはありませんでした。

しかし、大国が経済統合を武器とし関税を力とするようになり、こうした取引は破綻しました。ルールが守ってくれないなら、自ら国を守らなければなりません。自らが信ずるものを構築することだと話します。要塞化した世界は貧しく持続可能性に欠けます。ただ、主権のコストは共有化でき、共同で投資すれば独自につくる要塞より低コストです。高い壁を築くのか、それとも大胆に打って出るのか。カナダは戦略を根本的に変え、同盟国にも競合国にも同じ基準を適用すべきだと指摘し、価値観と利益に基づき、課題ごとに異なる「可変的な幾何学」を追求すると宣言しました。過去を懐かしむことは戦略ではありません。ミドルパワーである私たちにも現実を直視し、ともに行動する力はあるのだと訴えたのです。

この演説は大きな共感を呼び、スタンディングオベーションでたたえられました。トランプ政権が中国やロシアと差配しようと考え、不透明感が強まる国際社会で圧倒的多数であるミドルパワーの国々に一つの指針をもたらしたのです。

翻って、駒ヶ根市を考えます。3万2千人弱のまちはミドルパワーより、もう少し小さいかもしれません。移住人気の高い長野県にあって、新幹線など主要幹線は通っておらず、アクセスは有利といえません。しかし、この5年間をみると、昨年も含め、流入者が流出者を上回る社会増がほぼ続いています。年間100万人の観光客も訪れています。最大の課題である財政再建は、私の就任前に200%近くあった将来負担比率が昨年度は50%台と4分の1に減少するなど着実に進んでいます。私たちのまちには確かな力があるのです。

一方で、コロナ後、人口の東京一極集中は再び進んでいます。豊富な財源をバックに東京都は子育てや暮らしに突出した支援を行っています。東京の発展が日本への貢献になるとして、隣接する他県の不満や税財源の偏在解消を訴える声に耳を貸そうとしません。しかし、一極集中が日本全体の発展を阻害することは、多くの専門家が指摘しており、国もその解消を掲げています。

私たちは、引き続き、一極集中の是正を訴えていきます。同時に、ミドルパワーのまちとして、できることに全力を傾けなくてはなりません。そのカギは「コミュニティの力」だと考えます。

今月初め、駒ヶ根市で操業する東京・神奈川の企業を訪ねました。ある企業のトップが「駒ヶ根で働く社員は楽しそうなんだ」と言われるのです。懇親会を行うと明るく開放的で、娘のサッカーチームのスポンサーになってとの、お願いまで飛び出したといいます。隣の家の稲刈りなので年休を取りたいという社員もいて、本社とは全然違うと話すのです。私は、それは、まさにコミュニティの力だと申し上げました。企業で働く社会人の顔だけでなく、住むまちとつながっている地域の担い手としての顔も持っているからこそ、暮らしに幅が生まれ、人生を楽しむことができるのではないか。そんなやり取りをいたしました。

こうしたコミュニティは、駒ヶ根市が持つ歴史や文化、伝統から育まれてきました。コロナ禍の影響があったとはいえ、今もしっかりと息づいています。もちろん、価値観の多様化などを背景に、自治組織への加入率の低下や役員の担い手不足などの課題はあります。だからこそ、2年にわたり検討の場を設け、先日、提言書をいただきました。来年度からはモデル事業を始め、具体的な取り組みを進めます。

人と人が支え合い、尊重し合う社会。就任以来、申し上げてきた「広場のようなまち」は、コミュニティの力が源です。おカネをかければできるというものではないため、東京都のような大都市にとってアキレス腱といえます。駒ヶ根市がコミュニティの強化・発展を進めることは、ミドルパワーのまちが東京一極集中に示す、アンチテーゼともなります。そして、移住者や外国人を懐深く迎えることにもつながります。

今後、策定する「第6次総合計画」の大きな柱として掲げていく考えです。議会のみなさま、市民のみなさまのご理解・ご協力をいただければと思います。

2.【令和8年度当初予算案の概要】

それでは、今定例会に提案します、新年度予算について申し上げます。

第5次総合計画の最終年となります、令和8年度は、掲げた5つの基本目標と6つの重点プロジェクトに沿った、各施策の総仕上げに取り組みます。

申し上げてきた「誰もが自由闊達にいきいきと活躍する広場のようなまち」を目指して「次代を見据え、新たなまちへつなぐ予算」として編成をしました。

また、物価高騰が進む中で、市民生活や事業者の経済活動への影響に対し、国の経済対策にあわせて、令和7年度補正予算と8年度当初予算を一体的に編成することで、切れ目のない迅速な取り組みを進めてまいります。

それでは、当初予算の概要を申し上げます。

一般会計の総額は186億6,000万円で、前年度当初予算と比べて、8億2,000万円、4.6%と大幅に増加しました。過去最大規模であった前年度を大きく上回ります。これで、3年度連続して過去最大規模を更新し、必要な事業を推進していく、メリハリの利いた予算となります。特別会計・企業会計は、111億303万円で6億7,218万円、6.4%増加しました。この結果、令和8年度の予算総額は297億6,303万円で、前年度当初予算と比べて14億9,218万円、5.3%の増加となりました。

3.【令和8年度の主要施策】

次に、主要な施策について、第5次総合計画に沿って順次説明します。まず、6つの重点プロジェクトについてであります。

1【重点プロジェクト】

(1)【少子化対策・子育て支援プロジェクト】

1つ目は、少子化対策・子育て支援プロジェクトです。第2期、3年目となります「子育て全力応援」により、引き続き、安心して子どもを産み育てやすい環境づくりに取り組んでまいります。

(結婚、妊娠、出産の希望支援)
はじめに、結婚、妊娠、出産の支援であります。
結婚相談所は、相談事業や出会いイベントなどのサポート事業を通じて、結婚を希望される方々に、寄り添った取り組みを継続して行います。昨年、日本婚活協会の登録者が全国1位となりました「移住婚」の支援も図ってまいります。
また、結婚新生活支援事業では、暮らしを始める時の住居費や引っ越し費用、家電購入費などの補助を行い、特に若い世代の結婚に対し経済的な後押しを行います。
安心して出産・子育てに臨めるよう、引き続き「伴走型相談支援体制」を確保するとともに、国の事業であります「妊婦のための支援給付金」の交付や、出産時には応援ギフトもお贈りします。

(成長過程に応じた子育て支援)
次に、成長過程に応じた子育て支援であります。
ファミリーサポートセンター事業や、子育て短期支援事業の実施、保育士人材確保事業や保育補助員による職場の環境整備を進めます。新たに「こども誰でも通園制度」をスタートし、必要なときに安心してこどもを預けられる体制を整備します。
また、子どもの未来応援事業として、学習支援や生活支援・相談など、こどもたちの居場所づくりに取り組む、NPO法人や市民団体などへの支援を引き続き行ってまいります。
子育て参画促進事業では、子育てが楽しく、生きがいを感じられる環境づくりのため、企業などと連携し、セミナー開催などを行います。
子育て環境の整備として、南割公園及び丸塚公園、北の原公園の施設等の更新を行ってまいります。

(移住・定住支援)
若者の移住・定住に向けた経済的支援として行っています、奨学金の返還補助につきましては、令和8年度から補助対象条件を見直し、拡充を図ります。

(2)【共生社会づくりプロジェクト】

次に、2つ目の重点プロジェクト、共生社会づくりであります。世代や分野を超えて、すべての方々が自分らしい生き方を実感し、安心して暮らせる「地域共生社会」の実現に向けた基盤づくりを進めてまいります。

(包括的支援体制の整備)
少子高齢化や人口減少が進む中で、社会の課題は複雑化し、複合的な対応が求められています。従来の枠組みを超え、あらゆる人々の福祉ニーズを包括的に捉えた支援体制の構築を進めてまいります。また、困難を抱える人や家庭が孤立することのないよう、伴走型支援に力を注ぎます。経済面、日常生活、そして社会的な自立に向け、一人ひとりに寄り添った支援を提供するとともに、関係機関との横断的な連携をより一層、推進してまいります。

(地域活動の担い手の育成)
「支え手」「受け手」という枠組みを超え、地域全体が手を取り合い、助け合う仕組みを育てることが、共生社会の基盤となります。市民の皆さんが地域福祉活動を「我が事」と捉え、主体的に参画していただけるよう、ボランティア活動の啓発や住民主体の支え合い体制を強化します。共感とつながりを土台に、次世代を担う「人財」を育成し、地域を支える力を未来へつなげてまいります。

(3)【生涯活躍のまちづくりを軸とした中心市街地(まちなか)再構築プロジェクト】

次に、3つ目のプロジェクト、「生涯活躍のまちづくりを軸とした中心市街地(まちなか)再構築プロジェクト」です。

(多世代・多文化交流の促進・新たな人の流れ)
「地域再生推進法人」である、青年海外協力協会(JOCA)をはじめ、「生涯活躍のまち推進協議会」と連携し、「人生100年型 多世代交流コミュニティの実現」をコンセプトとする「駒ヶ根市版生涯活躍のまち構想」の実現に引き続き取り組みます。
市民活動支援センター「ぱとな」、JOCAの運営する「ゴッチャウェルネス」」や「J‘s保育園」、新たに開設する障がい者向けグループホームなどを、地域交流拠点として位置づけ、まちなかに多様な人々が集い、活躍する場をつくります。
また、地域資源を活かした「駒ヶ根版ワーケーション」や「教育旅行」など、「学びと交流のプログラム」を進め、市内外の多様な人々が関わり合う場も設けていきます。

(活躍の場づくり)
さらに、市民団体の活動拠点である「市民活動支援センターぱとな」の活用を通じて、多様な人々の活躍の場をつくります。

(健康増進)
また、「ゴッチャウェルネス駒ヶ根」を拠点に、こまがね健康ステーションと連携した市民の健康増進の取り組みを進めていきます。

(まちなかの魅力を高める)
「まちなか」の魅力を高めるには、中心市街地の賑わいづくりや、楽しみの創出が必要です。駒ヶ根駅前ビル「アルパ」については、広く活用のアイデアのヒアリングを行い、施設活用の検討を進めてまいります。
また、KOMA夏やこまちバルなど、中心市街地で行うイベントの支援や、こまがねテラスプロジェクトを引き続き、進めてまいります。駒ヶ根まちなかエリアプラットフォームの活動については、地域活性化の取り組みに関する知見やノウハウを有する外部専門家である、地域力創造アドバイザーを招聘し、官民連携して推進してまいります。

(4)【竜東振興プロジェクト】

次に、4つ目の重点プロジェクト、竜東振興プロジェクトであります。
竜東地域の玄関口となる、新宮川岸地区で進められているリニア発生土を活用した圃場整備事業の推進と、事業によって生まれる非農用地に建設する拠点施設の設置事業を引き続き進めてまいります。
圃場整備事業では、令和7年度に着手した圃場整備工事を、9年3月の完成に向けて取り組んでまいります。また、拠点施設については、7年度に発注しました基本設計の策定に向けて、関係者の皆さんの意見を反映しつつ、施設完成後の管理、運営及び農産物の供給体制等の確保に向け、地元との調整を引き続き進めてまいります。

(竜東地域における農業振興と地域の賑わい・活性化の推進)
整備を進める拠点施設は、シルクミュージアムやふるさとの家などの既存施設と連携し、一体的に利活用することで、より多くの市民の皆さんの利便性向上や、観光客の皆さんへの魅力発信の強化を図ってまいります。特にシルクミュージアムでは、取り組んでいます、カイコプロジェクトが昨年「第13回プラチナ大賞」の大賞・経済産業大臣賞を受賞しました。バイオ薬品の開発に向けた養蚕の担い手拡大や、返却される繭の利活用を推進する仕組みづくりを、引き続き進めるとともに、動態展示の導入などにより、ミュージアムの魅力を高めてまいります。
こうした取り組みを通じて、竜東地域の更なる農業振興や、賑わいづくりなどを進め、駒ヶ根高原や中心市街地など、竜西地域との連携により、市全体の発展を目指した取り組みも進めてまいります。

(5)【地域資源を活かした観光地域づくりプロジェクト】

次に、5つ目の重点プロジェクト、地域資源を活かした観光地域づくりプロジェクトであります。地域資源のブラッシュアップや情報通信技術の活用などにより、魅力的な地域を目指してまいります。

(駒ヶ根高原グランドデザインを基軸とした観光施策の展開)
駒ヶ根高原グランドデザインを基軸とした観光施策では、令和8年度の主な事業として、駒ヶ根高原キャンプセンターリニューアル事業やレンタサイクル事業、Wi-Fiを利用したアンケートなどに取り組みます。
駒ヶ根観光協会と連携した、観光地周遊への仕組みづくりや地域資源を活用した新たな観光コンテンツの開発も進めてまいります。
また、駒ヶ根ファームスと、こまくさの湯が開設30周年の節目を迎えることを機に、さらなる知名度向上や新たな観光客獲得に取り組みます。これらの事業を通じて、滞在型観光の充実や地域資源の一層の活用を進めます。 
早太郎温泉郷では、新たな源泉として「5号源泉」の掘削工事を現在進めており、8年度中の配湯を予定しています。あわせて、早太郎温泉の魅力ある宿泊プランの造成などに積極的に取り組んでまいります。

(中央アルプス国定公園の魅力を活かした活用と適正な保全)
山岳観光では、引き続き中央アルプス国定公園の魅力を活かした利用と、適正な保全に努め、登山者・観光客・住民の皆さんに「また来たい」と思っていただける、山岳観光都市を目指してまいります。
主な事業としては、檜尾岳登山道や中央アルプス縦走路の改修、檜尾小屋など山小屋の適正管理、中央アルプス国定公園の情報発信などを行い、アルプスの雄大な自然を活かした誘客を進めてまいります。

(6)【カーボンニュートラル推進プロジェクト】

次に、6つ目の重点プロジェクト、カーボンニュートラル推進プロジェクトであります。

(家庭への再生可能エネルギー施設促進・公共施設への再生可能エネルギー施設導入)
脱炭素社会実現に向けて、駒ヶ根市では、国が示す「脱炭素ロードマップ」の目標に基づき、公用車への電気自動車導入や、庁舎への効率の高いエアコン設置などに取り組みます。市民の皆さんの再生可能エネルギー設備導入や、省エネ家電の買い替えなど、身近な取り組みに対する、えがおポイントの交付なども引き続き進めます。
あわせて、県が整備している「中央アルプスこまかっぱ発電所」の水力発電事業への協力や、適正な太陽光発電設備の設置を誘導してまいります。

2【共通基盤】

以上、重点プロジェクトについて説明いたしました。
次に、それぞれの施策や事業を推進していく上での、共通基盤について説明します。

(1)【こまがねDX戦略の推進】

あらゆる施策を推進するための共通基盤となる、DXの推進は「こまがねDX戦略」に基づき取り組んでまいります。
5年間の計画期間で推進しています「こまがねDX戦略」は、8年度に最終年度を迎えます。これまでの取り組みを評価・検証するとともに、引き続き行政DX、地域DXを推進していくため、次期戦略を策定してまいります。

3【基本目標】

次に、将来像を実現するための5つの基本目標に沿って説明します。

(1)【ひとづくり】

はじめに、1つ目の基本目標の「ひとづくり」であります。

(妊娠期から子育て期の切れ目ない支援)
出産し退院した、母子に対し、心身のケアや育児のサポート等を行い、安心して子育てができるように、産後ケア事業に積極的に取り組んでまいります。
こどもたちの健やかな成長を支援するために、各種予防接種を実施し、疫病の発症やまん延を防ぐ取り組みを実施します。
乳幼児健診や相談を実施して、こどもたちの成長や発達を保護者と一緒に確認し、次の成長までの見通しを持った育児ができるよう取り組んでまいります。

(家庭・地域の子育て力の向上)
全てのこどもや若者が、身体的・精神的・社会的に幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指し、こども家庭センターを中心に妊産婦や乳幼児の健康維持・増進を図るとともに、子育て家庭への包括的な支援を充実します。
また、若者相談室では、義務教育修了後の若者を含むこども・若者が抱えるさまざまな悩みや不安に対応できる相談体制を整えてまいります。
利用者が増加している子育て支援事業については、家庭や地域と連携して子育てを支える基盤づくりを進め、支援サービスの向上や地域の見守り体制を整え、安全・安心な環境整備に取り組んでまいります。

(幼児期の健全育成を推進)
駒ヶ根市の保育・幼児教育の指針である「保育・幼児教育ビジョン」に基づいた施設整備計画を進めるため、美須津保育園と赤穂南幼稚園の統合に係る建設工事に着手します。
また、ビジョンに基づき、保育・幼児教育の適正配置や適正規模、ニーズに合った保育士の配置、施設の在り方検討に取り組んでまいります。
より良い保育環境の確保や、保育士の負担軽減を図るため、配置基準の改善や人材派遣制度の活用、保育補助員の配置を実施します。

(こどもの食育を推進)
「お弁当の日」を設定し、こどもたちに健全な食生活の意識付けをするとともに、家庭での食に対する意識高揚や、食育を推進してまいります。
また、増えています、食物アレルギーがある児童・生徒に対して、安全・安心な給食を提供できるよう、栄養士を配置し、対応してまいります。
老朽化が進んでいる竜東学校給食センターの在り方については、少子化の状況を考慮し、方向性を検討してまいります。

(学校教育の充実)
「内から育つひたむきな子」の育成を念頭に置いて、こどもたちのことを第一に考え、生きる力を育む教育に全力を尽くしてまいります。
ICT教育の充実を図るため、インターネット環境の整備や、機器の更新を行ってまいります。
増加している、不登校児童・生徒への支援として、不登校対策指導主事を教育委員会に配置するとともに、小学校には、こどもと親の相談員を、中学校には生徒相談員を、それぞれ配置します。あわせて、中間教室の見直しを行って、より利用しやすい体制や環境を整備してまいります。
また、こどもたちが安心・安全に学べる環境を整えるため、特別支援教育支援員や看護師、外国籍児童生徒支援員などを状況に合わせて配置します。特別支援教育支援員の質の向上にも取り組みます。
新たに作業療法士を学校に配置し、発達に特性のある、こどもや保護者への支援を強化するとともに、教職員との連携や研修を行うなど、支援の質の向上、負担軽減を図ってまいります。
学校施設の老朽化については、優先順位を付け対応してまいります。小中学校のトイレの洋式化についても、引き続き進めてまいります。
また、老朽化が進む学校プールについては、モデル校を設定し水泳授業の民間委託を行い、施設維持管理の合理化を図るとともに、気候に左右されない体制を整え、こどもたちが安全・安心に水泳ができるように取り組んでまいります。
学校給食への対応として、国が進める小学校給食費の抜本的な負担軽減措置に取り組むとともに、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、保護者の負担軽減に努めてまいります。

(学校・家庭・地域社会との連携強化による教育力向上)
学校支援ボランティアを募集し、さまざまな課題について地域の皆さんのお力もあわせ、解決に向けて取り組んでまいります。
また、保護者や地域の皆さんのご意向を反映し、開かれた特色ある学校づくりを、学校・家庭・地域が一体となって進めるため、コミュニティースクールを全小中学校で実施します。
こどもたちが自分自身の将来について、主体的に考え、行動できるよう、産学官等が連携して効果的なキャリア教育を実施してまいります。

(生涯学習の推進)
市内各地域の風土に根ざした自然、文化、歴史、伝統を学ぶ機会とともに、多様なライフスタイルに合った学習機会を提供してまいります。公民館の活動や身近な学びの場である分館活動の推進を図り、地域の皆さんと一緒に、青少年の育成や十二天の森の整備・活用など、社会教育活動での学びを通じた人づくりで地域コミュニティに資する生涯学習事業を推進してまいります。

(文化財の保存と活用)
文化財につきましては、博物館を中心に付属施設の郷土館、民俗資料館及び、館内の登戸研究所平和資料館の展示充実と活用を促進します。
また、国の重要文化財旧竹村家住宅の改修に着手し、指定文化財の計画的な修理・保存を行います。また、市民に文化財の周知と学習機会を提供し活性化を図り、古文書等所蔵資料のデジタル化の研修を進め、引き続き、埋蔵文化財の保存管理に努めてまいります。

(文化芸術活動の推進)
総合文化センターは、施設の長寿命化を図るため、改修基本計画に基づいた屋根・外壁・空調設備の改修工事が完了しました。令和8年度は、開館40周年を迎えます。文化会館自主事業は記念事業とし、充実した鑑賞事業等を開催します。
また、図書館は第4次駒ヶ根市子ども読書活動推進計画に沿い、小学1年生を対象としたサードブック事業による本の配布をはじめ、若い世代の読書活動を推進してまいります。
さらに、児童・生徒の文化芸術や音楽を通じて生きる力を育むための事業として、ジュニア駒展、ジュニア和楽器隊や弦楽器教室、学校授業へのプロの講師派遣などに引き続き取り組んでまいります。

(市民スポーツの推進)
生涯スポーツの推進により、心身の健康、体力の向上、地域コミュニティの形成に貢献できるスポーツ環境の整備と施設の維持管理に取り組みます。中学生の休日の部活動地域展開については、子どもたちがスポーツと文化芸術活動に継続して親しむことができるよう、スポーツ少年団やスポーツ協会等、関係団体を中心とした運営を本格的に開始し、指導者支援等の運営環境の整備に努めます。
また、令和10年度の第82回国民スポーツ大会ホッケー競技の開催に向け、馬住ヶ原運動場で、競技場本体の改修整備工事に着手します。運営面では、9年度のリハーサル大会開催準備とともに、本大会開催に向けて実行委員会を中心に、県内唯一のホッケータウンを活かし、「する・みる・ささえる」というスポーツを楽しむ3つの要素を大切にした、市民の皆さんへの機運醸成と競技普及事業等を推進し、県をはじめ、中央競技団体、地元関係者や関係団体等と連携し、準備を進めてまいります。

(市民参画の促進と市民活動の推進)
市民参画の促進と市民活動の推進では、引き続き、市民活動支援センターぱとなを拠点として協働のまちづくり支援事業などにより、主体的な市民活動への支援に取り組みます。
(地域コミュニティの活性化)
地域コミュニティの活性化では、令和5年12月から2年間にわたり行われてきました「自治組織の在り方検討会」から出された提言書や、自治会フォーラムで市民の皆さんから寄せられた声などを踏まえ、自治会支援の実践へと移行してまいります。
8年度は、区や自治会等を対象としたモデル事業を実施します。地域の現場で、課題の整理や対話の過程を含めた取り組みなどの効果の検証を行うとともに、自治会の事務負担の軽減に向け、デジタル活用の可能性について調査研究を進めてまいります。
また、区事務費交付金の拡充や、集会施設のLED化支援などを行い、自治会運営の負担軽減を図ってまいります。

(人権が尊重される社会の実現)
多様性を認め合い、一人ひとりの人権が真に尊重される社会を実現するため、人権尊重に関する啓発活動や人権教育に取り組むとともに、駒ヶ根市パートナーシップ宣誓制度による、性的マイノリティーや事実婚カップルなどの方々への支援を引き続き行ってまいります。

(男女共同参画社会づくりの推進)
駒ヶ根市男女共同参画計画に基づき、互いに人権を尊重し、誰もが個性と能力を発揮できる、多様性に富んだ活力ある社会に向け、女性参画の促進、ワークライフバランスの実現、魅力ある地域の創出などに関するさまざまな施策を引き続き推進してまいります。
令和8年度は、引き続き「あなたと私のいきいき講座」を開催するとともに、次期計画「あなたと私のいきいきプラン パート7」の策定を行います。

(国際交流と多文化共生の推進)
国籍を超えた市民が認め合い、多様性を尊重し、誰もが地域社会の一員として活躍できる社会づくりに向け、引き続き国際交流と多文化共生の取り組みを推進します。
駒ヶ根市には、全国に2カ所しかない、JICA青年海外協力隊訓練所や、協力隊経験者を中心に組織された青年海外協力協会(JOCA)の本部があります。市民の皆さんによる「みなこいワールドフェスタ」などの開催支援、外務省・JICAとの共催で本年度5回目を実施した「駒ヶ根国際フォーラム」などに引き続き取り組みます。
外国籍市民の増加を踏まえ、地域にともに暮らす生活者の視点から多文化共生を推進するため、新たに地域おこし協力隊を配置し、日本語教室や文化交流などの充実を図ります。
ネパール・ポカラ市とは、本年、国際協力友好都市締結25周年を迎えます。7年度、ネパール国内情勢により中止した、駒ヶ根市民代表団のポカラ訪問と中学生海外派遣国際交流事業を、新年度事業として実施し、交流と国際理解を深める取り組みを進めます。

(2)【健康づくり・支え合いの地域づくり】

次に、2つ目の基本目標の「健康づくり・支え合いの地域づくり」についてです。

(健康づくり習慣の普及)
市民一人ひとりが生涯を通じて健康でいきいきと暮らせる社会の実現を目指し、地域や職域との連携を強化するとともに、健康づくり習慣の普及啓発を推進し、健康意識の向上に取り組みます。これにより、検診受診率の向上や生活習慣の改善を促し、駒ヶ根市の健康課題である循環器病の予防に努めるとともに、健康寿命の延伸を目指します。

(高齢者の保健・福祉・介護の体制整備)
高齢者を含むすべての市民のみなさんが、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる「地域共生社会」の実現を目指します。特に、社会福祉協議会の体制を強化し、ボランティアの発掘・育成や活動のマッチングを進め、地域の支え合い活動を促進するとともに、災害時におけるボランティアセンターの円滑な運営強化にもつなげていきます。 
さらに、高齢者のみなさんの自立支援を強化し、保健、医療、福祉、介護が連携した包括的な支援体制を整備し、地域包括ケアシステムの深化に取り組みます。

(健康保険、福祉医療制度の運営)
国民健康保険税、後期高齢者医療保険料の公平・公正な確保に努め、収納率向上により制度の安定的な事業運営を目指してまいります。
また、特定健診の受診率向上に向け、保健事業による健康増進、予防活動に取り組み、健全な国保財政の運営に努めてまいります。
全ての方に切れ目のない保険診療を確実に提供できるよう、適切な運用に努めるとともに、「マイナ保険証」の利用者増加に向け、メリットについて周知、啓発してまいります。
国民健康保険は、国民健康保険税の県内市町村の平準化に向けた県のプランに沿って、令和9年度までの二次医療圏の医療費指数の統一化や、12年の県内の医療指数の統一化に向けて準備を進めてまいります。
福祉医療費は、18 歳までのお子さんの無料化のほか、障がい者や母子・父子など、医療費の経済的な負担軽減を引き続き実施してまいります。令和8年度からは、精神障がい者の入院療養分についても支給対象とします。

(障がい者の生活支援と社会参加の推進)
障がいをお持ちの方々にとって、安心して心豊かに生活できるよう、地域全体で障害に対する理解を深めるとともに、重度障がいのある方への生活支援やサービスの充実を図ります。また、就労支援等の充実を進め、一人ひとりの自己実現に向けた支援に取り組んでまいります。
(生活困窮者への支援)
生活困窮の悩みを抱える方々には、相談窓口の充実を図り、家計改善のサポートを提供しており、自力で支援を求めることが困難な方々にもアプローチすることが重要です。アウトリーチ事業や参加事業を通して、支援が行き届く体制を維持し、生活困窮者等に寄り添いながら、自立に向けた支援に取り組んでまいります。

(3)【ひとの流れづくり】

次に、3つ目の基本目標の「ひとの流れづくり」についてです。

(地域資源を活かした魅力ある観光地域づくり)
駒ヶ根市への観光客数は、インバウンドを含めコロナ禍前の水準にほぼ戻りました。魅力ある観光地として選んでいただけるよう、受け入れ環境の整備に向け、長野県宿泊税交付金の活用も含めて、振興施策を進めてまいります。
令和8年度は、地域資源を最大限に活用した観光地域づくりの具体化に向け、高付加価値化への支援を継続するとともに、駒ヶ根ファームス「味わいラウンジ」の新たな活用など、既存施設の魅力の再構築に努めます。
台湾・台中市との交流においては、台中市のショッピングイベントへの参加や、イベントを通じた観光情報のダイレクトな配信を行うことなど、交流をさらに深化させてまいります。
また、駒ヶ根観光協会など関係団体等と連携し、都市圏でのPRイベントの実施やSNS等、多様な媒体を通して、魅力を多角的に発信し、新たな客層の誘致を図ってまいります。

(移住・定住の推進)
「信州駒ヶ根暮らし推進協議会」と連携して、都市圏でのセミナーや相談会、市内での体感会を通じて、魅力を伝え、移住・定住に繋げてまいります。 
また、マイホームの取得促進の補助等により、子育て世代の定住を図るとともに、空き家の掘り起こしを進め、空き家バンク事業の継続・拡充により、空き家の利活用と移住・定住の促進を図ってまいります。

(関係人口の創出・拡大)
さまざまな形で駒ヶ根市に思いを寄せる人々が、多様な形で、市民の皆さんとともにまちづくりや地域づくりに関わるような社会を目指し、関係人口の創出や拡大に取り組んでまいります。
生涯活躍のまちづくりで取り組んでいる「ワーケーション」や「教育旅行」の誘致拡大、「それ、駒ヶ根でできます」をキャッチフレーズとしたプロモーションなどに官民連携して取り組みます。新たに「ふるさとワーキングホリデー事業」を実施し、都市部の若者をターゲットに、移住につなげる取り組みみを進めます。
ふるさと寄附は、令和7年度も過去最高の受入額となっています。引き続き、返礼品事業者の皆さんの協力をいただき、地場産品の魅力を発信するとともに、ファンを増やし、駒ヶ根市を訪れていただけるよう、取り組みを行っていきます。

(4)【しごと・ものづくり】

次に、4つ目の基本目標の「しごと・ものづくり」についてです。

(優良農地の確保と有効活用・農村環境の保全)
令和6年度に策定した「地域計画」に沿って、10年度の地域の農用地利用の姿を明確にした上で、引き続き農用地の適切な利用の増進や耕作放棄地の拡大を防ぐための取り組みを進めてまいります。
また、中山間地域等直接支払い制度や多面的機能支払交付金事業を活用して、農地や農業施設の保全に向けた事業等を継続することで、農村地域が持つ機能の維持と発揮を図りながら、持続可能な農業の実現を目指した取り組みを進めてまいります。
特に、全国的課題となっているクマのほか、ニホンザルの生活圏への出現回数の増加もあり、生活や観光等における安心面の確保の観点から、庁内各部署や地域と連携した取り組みが引き続き必要です。有害鳥獣駆除対策事業は、農作物への被害防止以外の視点としてのツキノワグマゾーニング対策も含め、県や近隣自治体とも連携し、さまざまな取り組みを進めてまいります。

(暮らしを豊かにする魅力ある地域農業の創出)
農業を取り巻く環境は、従事者の高齢化、新たな担い手や後継者不足、燃油や生産資材の高騰、国内外の産地間競争の激化など、厳しさを増しています。かつてないスピードで変化する社会構造と、そこから生まれる新たなニーズへの即応を目指し、見直しをしている「駒ヶ根市地域農業ビジョン」を基に、駒ヶ根市営農センターを中心として持続可能な地域農業の実現に向けた取り組みを進めてまいります。
特に、令和6年度のコメの市場流通量の不足によるコメの需要増加と価格の高騰等の今後の動向や、国の制度改正等の影響による生産への対応変化も懸念される中、国や県の方針を確認しつつ、引き続き、生産者の安定的な収入確保に向けて取り組んでまいります。

(新しい技術を活かしたスマート農業の推進)
スマート農業機械の導入は、従事者の高齢化や担い手不足の中での農地集約化や規模拡大に向けた課題解決への一つの手段としての効果が期待されています。機械導入に関する補助事業の継続実施や、スマート農業技術の実証実験や導入に向けた研修の提供を行うなどの取り組みを通じて、支援を図ってまいります。

(多面的機能を発揮して暮らしを守る森林づくり)
市域の75%を占める森林は、木材生産のみならず、公益的な多面的機能も有しており、特にカーボンニュートラルの視点からも重要な資源です。森林機能を十分に発揮し豊かな市民生活に繫げるために、駒ヶ根市森林整備計画を中心に計画的な整備を推進してまいります。
また、森林環境譲与税等を活用した林業振興事業や林道開設・改良事業、松くい虫防除対策事業の継続的な取り組みを進めるとともに、さまざまな木材の活用方法を進め、より多くの市民の皆さんに、森林への関心を高めていただくよう努めてまいります。

(活力ある商業・サービス業の振興)
商業・サービス業の発展においては、各店舗が消費者ニーズに応じた商品やサービスを提供するとともに、魅力的、個性的な店舗づくりを進めることが重要です。 
それを支えるために商工会議所と連携し、商業環境の整備や経営力強化を支援してまいります。
また、駅前立体駐車場の改修工事を行い、安全の確保と利用者の満足度向上に努めてまいります。

(人が集まる「まちなか」の魅力づくり)
「まちなか」の魅力を高めるため、中心市街地の賑わいづくりや、楽しみの創出が必要です。駒ヶ根駅前ビル「アルパ」については、広くアイデアのヒアリングを行い、今後の施設活用の検討を進めてまいります。
また、KOMA夏やこまちバルなど、中心市街地で行うイベントへの支援や、こまがねテラスプロジェクトを引き続き進めてまいります。駒ヶ根まちなかエリアプラットフォームの活動については、地域活性化の取り組みに関する知見やノウハウを有する外部専門家である、地域力創造アドバイザーを招聘し、官民連携で推進してまいります。

(新たな高付加価値産業の振興と企業誘致の推進・地域を支える中小企業の経営基盤強化と人材の創出)
ものづくり産業は、駒ヶ根市の産業の大黒柱であります。
原材料費やエネルギーコストの高騰、人手不足等の厳しい経営環境において、稼ぐ力の強化として、売り上げ確保や販路拡大等に取り組む、市内事業者への支援を拡充します。さらに、生産性向上や収益力改善等のための自動化や省エネルギー対策、付加価値向上等の設備投資等の支援を新設します。また、テクノネット駒ヶ根による人材育成を進め、企業体質強化に努めます。
深刻化している人材不足への支援策では、駒ヶ根市雇用対策協議会を中心に、地元企業への就職支援をより一層進めるとともに、求人活動や広告、遠距離通勤の費用の補助などを継続してまいります。
また、企業誘致では、活力ある産業基盤構築を目的に、官民連携で誘致を進めるとともに、必要となる産業用地開発を検討してまいります。
稼ぐ力の創出を目指して行っている、BEAMSとの連携事業を継続し、企業の新たな付加価値向上、マーケティング力向上に努めてまいります。

(5)【安心・快適なまちづくり】

次に、5つ目の基本目標の「安心・快適なまちづくり」についてです。

(資源循環型社会の形成)
環境衛生対策では、駒ヶ根市一般廃棄物処理基本計画に基づき、リデュース、リユース、リサイクル、リプレイスの4Rの取り組みを図り、発火の恐れがあるリチウムイオン電池や、使用済み小型家電の回収に力を入れます。新たに一般家庭から排出される剪定木のウッドチップ化を計画し、更なるごみの削減、資源化を推進してまいります。

(環境保全の推進)
資源保全の推進では、不法投棄パトロール、河川や地下水の検査、騒音測定といった地道な取り組みを通じ、第3次環境基本計画で将来像に描く「自然資源を育み、活用し、豊かなくらしを未来につなぐまち」の実現に向けて、市民や事業者の皆さんとともに進めてまいります。

(安心して暮らせる住環境の整備)
都市公園が安全・安心な憩いの場として市民の皆さんにご利用いただけるよう、「公園施設長寿命化計画(第2期)」に基づき、計画的な修繕や更新を実施します。令和8年度は、南割公園及び丸塚公園、北の原公園の施設等の更新を行います。
また、適切に管理されていない空き家が増加し、防災、衛生、景観など生活環境に悪影響を及ぼしています。一方で、地方移住への関心の高まりから空き家の活用は重要となっています。令和7年度に策定した「第3期駒ヶ根市空家等対策計画」に基づき、空き家の発生の抑制や利活用など、地域や関係機関等と連携して、対策を一層推進してまいります。
市営住宅は、住宅に困窮する世帯に対するセーフティネットとして、適正なストックの更新・維持管理を行うとともに、効率的・効果的なマネジメントと、市営住宅のライフサイクルコストの縮減や安心・安全な住環境の整備を図ります。令和8年度は、「駒ヶ根市公営住宅等長寿命化計画(第3期)」に基づき、ユニットバスの設置やサッシの断熱、トータルリフォームなど住環境の整備を計画的に行ってまいります。
近年、少子高齢化や家族形態の変化に伴って、お墓に対する価値観も多様化しています。令和7年度に行った「お墓に関するアンケート」では、複数の人たちの遺骨を共同で埋葬し、供養する合葬式墓地の整備を望む声が多く寄せられました。このようなニーズに応えるべく、合葬式墓地の整備を進めてまいります。

(生活に密着した道路整備の推進)
生活道路は、住民のみなさんを支える重要なライフラインであり、常に安全・安心に利用できることが重要です。
道路の危険箇所や老朽箇所の修繕は、各区の要望等に基づき、緊急度などの優先順位に基づき、取り組みます。橋梁や舗装は、長寿命化修繕計画に基づき改修等を進めてまいります。
また、通学路の安全対策として赤須町線などの歩道整備、飯坂地区でのゾーン30プラスの整備、県道では駒ヶ根長谷線の通称「田沢の坂」の歩道整備を進めてまいります。

(幹線道路網の整備)
伊那谷の南北交通軸である国道153号伊駒アルプスロードについては、国の直轄権限代行事業として、現在、伊那市の天竜川渡河部について整備中であります。駒ヶ根工区についても予備設計に着手することとなりました。取付道路の設計も含め、国・県や地域の皆さんと連携し事業促進に取り組みます。
市道の幹線道路については、新春日街道線、本曽倉線等の整備に取り組みます。
また、「駒ヶ根市道路整備プログラム」に基づき、都市計画道路中割経塚線の伊南バイパス東側の未整備区間について、令和8年度は、用地補償の一部に着手します。
都市計画道路中割経塚線の整備により、東西間交通の円滑化、安全・安心の歩行空間の形成等、市が抱える交通課題への対応を図ります。

(地域公共交通の確保)
超高齢社会、人口減少社会における地域公共交通は、重要な社会インフラであるとともに市民のセーフティネットであるという考えに基づき、新たな「地域公共交通計画」を策定しました。この計画に基づき、「地域公共交通協議会」の皆さんとともに官民連携で課題解決を図ってまいります。
駒ヶ根市の主要な交通システムである「こまタク」につきましては、AI予約配車システムの改善などにより、利便性の向上を図ってまいりました。コロナ禍以降、利用者が減少傾向にあることから、さらなる利用促進と広報啓発に取り組んでまいります。
また、ドライバー人材不足が大変厳しい状況にあります、交通事業者に対しまして、引き続き人材確保に向けた支援制度を実施してまいります。
「公共ライドシェア meemo(ミーモ)駒ヶ根」は、2年目の実証結果を終えました。引き続き、3年目の実証実験に取り組み、交通空白解消に向けたニーズ把握と効果検証に取り組みます。
山麓周遊バス「さんさんバス」は、3年間の取り組みを踏まえ、観光客の周遊を促す路線として持続可能な形での運行を模索し、引き続き課題解決に務めるとともに、並行して新モビリティの導入なども研究してまいります。
JR飯田線の活性化に向けては、沿線自治体等と連携してイベント列車の実施などに取り組みます。
「リニア中央新幹線」は開業時期が見通せない状況であります。ただ、その効果を地域活性化に最大限活かすため、長野県駅から駒ヶ根市までの2次交通、さらに市内の3次交通の構築に向けて、県や周辺市町村、関係団体等と連携して検討を進めてまいります。

(上下水道事業の持続と安全・安心)
水道事業では、老朽化した水道管や丸山ポンプ場の機械設備、扇場配水池の更新を計画的に進め、安全で安心な水道水の安定供給に努めてまいります。
下水道事業では、さらなる接続促進に取り組み、水洗化率の向上を目指すとともに、駒ヶ根浄化センターの設備等の改築及び耐震補強を計画的に進めます。
維持管理が重要となった時代を迎え、上下水道事業の持続可能な事業運営のために、計画的な更新等と適正な維持管理に取り組み、併せて広域化等の検討を進めてまいります。

(景観まちづくり)
駒ヶ根市の大切な財産である美しい景観を後世に伝えていくため、景観条例、景観計画、屋外広告物条例に基づく規制や誘導に取り組んでまいります。

(激甚化する災害への対策強化)
集中豪雨などにより各地で大規模な災害が発生しています。駒ヶ根市では近年、大規模災害の発生はありませんが、地形が急峻で地質が脆弱な地域であるため、大規模な災害等が起こる危険性は高いと言えます。
土砂災害を防ぎ、住民の皆さんの生命・財産を守るため、流域の関係者が協同して減災・防災に取り組む流域治水の推進を図るとともに、土砂災害危険区域を中心に国・県と砂防事業、急傾斜対策事業等について、地域とも連携し事業促進を図ってまいります。
また、災害復旧作業を迅速に行えるよう、地籍調査事業を引き続き推進してまいります。令和8年度は、東町地区の調査を実施します。
「駒ヶ根市耐震改修促進計画(第4期)」に基づき、所有者にとって「耐震診断」や「耐震改修」を行いやすい環境の整備、負担軽減のための支援を行います。令和8年度は、木造住宅の「耐震診断」及び「耐震改修」に対する補助を行い、耐震改修を一層促進します。

(地域防災力の強化)
近年、地球温暖化に伴う異常気象により頻発する大規模な自然災害や、発生の確率が高まっている南海トラフ巨大地震、さらには伊那谷断層帯地震など、予想される大規模災害に備え、防災・減災対策の強化に引き続き取り組んでまいります。
令和8年度は、移動系防災行政無線をIP無線機に更新し、有事の際の通信手段を確保し、防災対策の強化を図ります。
さらに、防災気象情報の体系整理に合わせてハザードマップを改訂し、全戸配布します。自主防災会における防災資機材・災害用備蓄資機材のさらなる充実も支援し、地域防災力を高めてまいります。
地域の安全を守る消防団の機能や組織を維持し、持続可能な消防団を実現するため、
機能別消防団員制度の運用に加え、準中型自動車やバイクの免許取得補助制度を継続し、新規団員の確保につなげてまいります。

(防犯・交通安全・消費生活対策の推進)
安全・安心なまちづくりのため、警察や関係団体と協力し、防犯活動や交通安全推進活動に力を入れてまいります。
SNSを利用した投資やロマンス詐欺は、被害額が高額化しています。また、警察を装った「0110」(ゼロイチイチゼロ)からの着信や、国際電話からのアクセスなど、アプローチは多様化、巧妙化しています。こうしたトラブルに遭わないよう、身近で相談しやすい消費生活センターの運営につとめるとともに、警察署や長野県の消費生活センターなどの関係機関との連携強化や広報活動を通じ、消費生活対策を推進してまいります。

4.【むすびに】

最初に申し上げましたように、世界は分断の時代に入りました。日本も先の参院選や衆院選で、外国人との向き合い方が焦点の一つとなったように、不透明な国際社会の中では例外とはいえません。しかし、違いを見つけて対立するより、共通点を探し互いを認め、共感していく方が楽しく実り多き社会です。戦前の日本社会のありようを考えれば、おのずと方向は定まると考えます。

 デフレからインフレに転じ、経済も大きな節目にさしかかっています。政治、経済、社会とさまざまな面で日本は転換点を迎えています。暮らしやすく、愛着のもてるまち、広場のようなまちに駒ヶ根市を、さらに発展させていくために、これからも、議会のみなさん、市民のみなさんとともに力を合わせていきたいと考えます。決意をあらためて申し上げ、令和8年度の施政方針とします。ありがとうございました。

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更新日:2026年03月16日