市長施政方針

令和5年度施政方針(令和5年2月22日)

ともに創ろう

“誰もが自由闊達にいきいきと活躍する広場のようなまち”駒ヶ根

1.【はじめに】

本日、令和5年第2回市議会の開会にあたり、令和5年度予算案を始め、市政の重要な議案の提案説明に先立ちまして、市政運営に対する私の所信の一端を申し上げます。

国は5月8日から、新型コロナウィルスの感染症法上の分類を季節性インフルエンザと同様の5類に引き下げることを決めました。3月13日からは、マスク着用について屋内外を問わず、個人の判断に委ねるとした方針も示しました。岸田首相は、今後の新型コロナウィルスへの対応について「あらゆる場面で日常を取り戻すことができるよう着実に進めていく」と話しており、今年は、いよいよ日本でもウィズコロナ時代が本格的にスタートすることになります。

振り返りますと、私が市長として働いてきた日々は、ほぼコロナ禍と重なっています。未知のウィルスに世界中が手探りの対応を強いられ、駒ヶ根市としても、市民のみなさんの安心・安全を守るため、国や県とともに、前例のない規模のワクチン接種や、小中学校の一時休校、公共施設の一時閉鎖、飲食店のみなさまへの時短営業の要請など、これまでの経験則では図れない、さまざまな感染防止対策に取り組んできました。

同時に、人の移動が制限されたことで、大きな打撃を受けた観光や飲食店など、地域経済の下支えも進めてまいりました。昨年後半からはロシアのウクライナ侵攻をきっかけとしたエネルギーなどの世界的な物価上昇が重なり、製造業をはじめ、より広範な産業が厳しい状況に置かれています。駒ヶ根市として、地域経済や暮らしを守るための施策に一層、力を入れてまいりました。

市民のみなさんには不自由な生活をお願いしたこともありましたが、感染防止対策などに、ご理解・ご協力をいただいたことに、あらためて感謝を申し上げます。市民お一人お一人、多くの企業、団体が力を合わせていただいたことで、駒ヶ根市はコロナ禍を乗り越え、新たな世界の入り口に立とうとしています。

こうした新型コロナウィルスへの対応と並行して、駒ヶ根市として、その先の時代に備えた取り組みも続けてまいりました。そのうち、3つの点について申し上げます。

まず、まちの持続性に大きな影響を与える人口の動向です。このコロナ禍を経て、暮らしや働き方は大きく変わりました。遠い将来の話とされていた、自宅などでのリモートワークが一気に普及しました。従業員の居住地を自由とする、NTTなどの企業も現れ、サラリーマンにとって当たり前だった、転勤や単身赴任が過去の遺物となる可能性もあります。居住する国さえ問わない企業すらあり、従業員の一層の多国籍化も現実になってきました。

ウィズコロナ時代が本格化すれば、以前の働き方に戻るのではとの見方はあります。総務省が1月末発表した、昨年の住民基本台帳人口移動報告によれば、東京都は、転入者が転出者を約3万8千人上回り、超過幅が3年ぶりに拡大しました。これをもって、都市から地方への人の流れは結局、変わらないのではとの指摘もあります。

しかし、日本生産性本部が1月発表した「働く人の意識調査」によれば、テレワークの実施率は16.8%あります。テレワークを行いたいとの回答は84.9%に達しており、コロナ禍前の働き方に戻ることは想定できないのが現状です。

また、これまで、景気の悪化と東京への流入人口の増加は、ほぼ比例しています。今回も景気後退局面にあることを踏まえると、東京への流入増には、こうした背景があると考えられます。

地方で働きたい、地域の役に立ちたいと考える人の動きは、既に東日本大震災をきっかけに広がっていました。リモートワークの普及によって、仕事を持ったまま移住することが選択肢の一つとなった現在、都市から地方へと向かう人の動きは、より定着していくものと考えます。実際、長野県への転入人口は、総務省によれば、2014年以降、初めて転入超過を記録しました。

駒ヶ根市でも、転入から転出を差し引いた社会的移動は、令和3年度は7人、4年度も24人と、2年連続して転入増となっています。この動きを、これまでのまちづくりの成果の現れととらえ、さらに取り組みを重ね、プラス幅を大きくしていきたいと考えています。

また、出生数も人口を左右する重要な要素です。令和2年に駒ヶ根市で生まれた赤ちゃんは200人に落ち込みました。コロナ禍で少子化に拍車がかかった形となり、市として、3年4月「子育て全力応援」を宣言し、3年間を集中応援期間として取り組んでいます。市内の赤ちゃんは3年に203人、4年は198人となり、ほぼ横ばいとなっています。4年に80万人を切る見通しとなった、全国の出生数の減少幅と比べると、一定水準を維持しているといえます。少子化対策は息長い取り組みが必要な分野です。さらに工夫を重ねてまいります。

2点目は財政再建の進展です。財政指標の一つ、将来負担比率は平成29年度に197.9、30年度も197.2と、全市町村でワースト5位でした。低成長時代が続き、身の丈以上の借金を抱えることは自治体にとって大きな負担です。子どもや孫の世代につけを回さないためにも、できる限り減らしていくことが、私たち世代の責任です。そこで、全ての事業を原則3年でいったん見直す、サンセット条項を盛り込んだ財政再建プランや、10年間で床面積を1割削減する、公共施設の再編計画などを策定し、取り組んで参りました。返礼品の充実を進め、ふるさと寄付は令和2年度から3年連続で過去最高を更新し、4年度は6億円前後になる見通しです。ふるさとづくり基金など、主な基金の合計残高は令和4年度末には約40億円と、平成30年度と比べ、ほぼ倍増する見込みです。この結果、4年度末の将来負担比率は、91.6と、平成30年度の半分以下となり2ケタ台に改善する見通しとなりました。ただ、県内市町村では最悪とみられ、なお再建は途上といえます。

ウィズコロナ時代をにらみ、まちの設計図となる、第5次総合計画を前倒しして策定し、本年度から取り組んでいます。財政再建の進展とあわせ、駒ヶ根市を支える2つの柱ができあがったと考えています。

3点目は、市内外のさまざまな方や企業、団体との協力の重要さです。時代の変化のスピードは増し、それぞれの課題も複雑化しています。行政だけで対応できる範囲は限られています。さまざまな主体が力を合わせることができれは、新たな化学反応が生まれ、より効果的な取り組みにつながっていきます。

先日、市議会議員連盟のみなさんが赤穂公民館で、JICA、JOCA、県看護大、そして市の代表を集めて、まちづくりを話し合うフォーラムを開いてくださいました。駒ヶ根市にある、宝物を再認識する機会となり、それぞれの力を合わせたら、さらに、すばらしい取り組みが生まれるのではないかと、私も参加者の一人として、わくわくしました。まさに、こうしたネットワークが、これからのまちづくりに一層重要です。

ネットワークは市外にも広げていかなくてはなりません。人口3万2千人と、決して大きくはない、駒ヶ根市が、さらに発展していくためには、多様な協力の輪を広げていくことが重要です。明治期に豪商として財を成した糸平さんこと、田中平八をきっかけに東京証券取引所との協力関係ができ、糸平フェスティバルや赤穂高校での金融教育につながっています。市民のみなさんによる草の根の国際交流を基に、外務省やJICAと共催による駒ヶ根フォーラムは今年、2回目を迎えることができました。シンKOMAGANEプロジェクトでは、首都圏の女子大や高校、大学院大学のみなさんとフィールドワークを重ねています。

就任以来、それぞれの人がそれぞれの思いを実現できる、広場のようなまちを目指すと申し上げてきました。コロナ禍を経て、互いを尊重し、支えあうことの重要さを多くの人が、あらためて感じています。昨年4月導入した、パートナーシップ宣誓制度を昨年末、第1号のカップルが利用してくださいました。新たな時代にふさわしい、より多くの方をひきつけ、一層輝く駒ヶ根市とするため、市民のみなさんとともに、新たなまちづくりを進めていきたいと考えています。

2.【令和5年度当初予算案の概要】

それでは、今定例会に提案します、新年度予算について申し上げます。

先ほど、申し上げましたように、第5次総合計画の2年目の年となります。「誰もが自由闊達にいきいきと活躍する広場のようなまち」を実現するため、重点プロジェクトや基本目標を達成するための事業に予算配分し、駒ヶ根市の新時代を切り拓く予算としました。

また、コロナ感染症の予防対策や世界的なエネルギー・物価高騰による市民生活への影響に対し、国の経済対策にあわせて、令和4年度補正予算と令和5年度当初予算を一体として編成することで、切れ目のない迅速な取り組みを進めていきます。

それでは、当初予算の概要を申し上げます。

一般会計予算の総額は、147億5,700万円で、前年度当初予算と比べて、9,800万円、0.7%減少しました。特別会計・企業会計は、110億2,602万円で、6,977万円、0.6%の増加となりました。この結果、令和5年度の予算総額は、257億8,302万円、前年度当初予算と比べて2,823万円、0.1%の減少となりました。

3.【令和5年度の主要施策】

次に、主要な施策について、第5次総合計画に沿って順次説明します。まず、6つの重点プロジェクトについてであります。

1【重点プロジェクト】

(1)【少子化対策・子育て支援プロジェクト】

危機的な少子化に対して全市挙げて集中的に取り組む「子育て全力応援」宣言も3年目の最終年となります。新たな事業の追加や既存事業の拡充を行い、更に積極的に推進してまいります。

(結婚、妊娠、出産の希望支援)

始めに、結婚、妊娠、出産の支援であります。昨年度から、市が独自の事業として、出生届を出された、ご家族に「赤ちゃん育児ライフ応援交付金」をプリペイドカードで、お贈りする事業を始めました。さらに、新年度からは、国が創設した「出産・子育て応援交付金事業」をあわせて行います。「伴走型相談支援体制」を確保し、新たに「妊娠時」と「出産時」に、支援金をお贈りします。

(成長過程に応じた子育て支援)

次に、成長過程に応じた子育て支援であります。新たに追加する事業として、家族全員が家事・育児へ積極的に参画できる地域づくりを目指し、育児休業取得や短時間勤務等、企業・事業所の従業員の育児支援策の拡充などを促す「子育て参画促進事業」に取り組んでまいります。

また、「屋内キッズスペース設置事業」として、悪天候時でも親子が遊べる屋内遊戯スペースを公共施設に設けます。

子育て世帯のみなさんから要望の多かった子育て支援センターの休日開館につきましては、昨年から始めました、きっずらんどの土曜日開館を引き続き実施します。

ファミリーサポートセンター事業では、利用料の助成の他に、ハッピーママサポート事業や子育て短期入所事業の初回無料化を引き続き進めてまいります。

また、子育て世帯の交流の場となる「いい育児の日事業」を拡大し、フリーマーケットに加え、公民館や子育て支援センターのイベント等を開催します。

そのほか、子育て応援アプリ「こまっぷby母子(ぼし)モ」の機能拡充による子育て情報発信の強化、ちびっこ広場のリニューアルや、すずらん公園・馬見塚公園へのおむつ替えシート設置、ファミリーサポートセンター事業等利用料補助の拡充なども行ってまいります。

(2)【共生社会づくりプロジェクト】

次に、2つ目の重点プロジェクト、共生社会づくりであります。誰もがつながり支え合い、自分らしく暮らし続けることができる「地域共生社会」の実現を目指します。

(包括的支援体制の整備)

少子高齢化、人口減少などが進み、私たちの暮らしを取り巻く課題への対応は、これまでの仕組みだけでは難しくなってきています。

複雑化した課題に、制度、分野の垣根を超えて多様な主体がつながり重層的に支援する、包括的な支援体制づくりを進めてまいります。

(地域活動の担い手の育成)

また、共生社会を構築するためには、地域活動の担い手が重要となります。市民のみなさんの地域福祉への意識を醸成し、ボランティア活動や地域生活支援体制、通いの場などを充実させ、共感やつながりをベースにした担い手の育成を図ります。

(3)【生涯活躍のまちづくりを軸とした中心市街地(まちなか)再構築プロジェクト】

次に、3つ目の重点プロジェクト、生涯活躍のまちづくりを軸とした中心市街地(まちなか)再構築プロジェクトです。

(多世代・多文化交流の促進・新たな人の流れ)

人が集う中心市街地を再構築するため、引き続き生涯活躍のまちづくりをはじめ、空き店舗活用や「こまがねテラス」といった取り組みを進めてまいります。

令和元年に策定した「生涯活躍のまち構想」に基づき、交流拠点施設として銀座通りにオープンした、「ゴッチャウェルネス駒ヶ根」は多くの方に利用いただき、人の流れが生まれつつあります。

令和5年度も引き続き「地域再生推進法人」である青年海外協力協会(JOCA)を始めとする「生涯活躍のまち推進協議会」と連携し「小規模保育園施設」等の設置に取り組み、まちなかへの人の流れをさらに大きなものにしてまいります。

その他「ワーケーション」や「教育旅行」を中心とした「学びと交流のプログラム」も進め、多様な関係人口の創出に結び付けてまいります。

(活躍の場づくり)

また、中心市街地における生涯活躍のまちづくりを進め、多様な「活躍の場」を創出します。それぞれの状況に合わせた「就労」「ボランティア」「生涯学習」といった機会を提供し、役割や生きがいを感じられる場づくりを行ってまいります。

(健康増進)

「ゴッチャウェルネス駒ヶ根」では、活動量計を使った健康づくり事業や、健康、介護予防に関する相談にあたります。筋力低下等で日常生活に支障がある高齢者などの方にはリハビリ専門職による運動指導を行い、外出や運動習慣の定着を図ります。

また、検診を受けやすい環境づくりとして、各種健診や大腸がん検診の検体受付を、土日夜間を含めて行ってまいります。

(まちなかの魅力を高める)

こうした取り組みとあわせて「こまがねテラス」との連携も継続し、賑わいを創出してまいります。

(4)【竜東振興プロジェクト】

次に、4つ目の重点プロジェクト、竜東振興プロジェクトであります。竜東の玄関 口に位置する新宮川岸地域において、リニア発生土を活用した土地改良法に基づく圃 場整備事業を進め、あわせて非農用地を確保し農産物直売所や加工所などの施設整備を図ってまいります。事業主体である新宮川岸地区共同施行委員会や関係機関などと連携し、令和5年度中に着手します。

(竜東地域における農業振興と地域の賑わい・活性化の推進)

さらに、「シルクミュージアム」や「ふるさとの家」などとともに、豊かな自然景観を活かし、多くの市民や観光客を惹きつける、新しい交流拠点づくりを進めます。

農産物直売所や加工所などの施設整備では、地元住民で組織された竜東開発委員会をはじめさまざまな方々のご意見等を踏まえ、具体的な計画づくりを進めてまいります。

(5)【地域資源を活かした観光地域づくりプロジェクト】

次に、5つ目の重点プロジェクト、地域資源を活かした観光地域づくりプロジェクトであります。地域資源のブラッシュアップや情報通信技術の活用などにより、魅力的な地域を目指してまいります。

(駒ヶ根高原グランドデザインを基軸とした観光施策の展開)

駒ヶ根高原グランドデザインを基軸に施策を展開し、滞在型観光を目指すとともに、地域資源を活かした観光地域づくりに取り組んでまいります。

主な事業では、観光地周遊交通システムの導入に向けた検討、関係事業者と連携した中核観光拠点施設の構想づくり、サイクルツーリズムなどを中心とした体験型観光地域づくり、テレワーク・ワーケーションの推進、来訪者や住民のみなさんの満足度を上げる取り組み、SNS等を利用した情報発信の充実などを進めます。

(中央アルプス国定公園の魅力を活かした活用と適正な保全)

中央アルプス国定公園の魅力を活かし、登山者・観光客・市民のみなさんに「また来たい」と思っていただける山岳観光都市を目指してまいります。

主な事業として、中央アルプスの稜線での統一道標や空木岳から宝剣岳までの縦走路及び登山道の整備、昨年7月オープンした檜尾小屋及びテント場の適正管理、中央アルプス国定公園の情報発信などを行ってまいります。

また、適正な維持管理や環境保全活動を強化するとともに、山岳遭難を防止するため安全登山に関わる取り組みを強化します。

(6)【カーボンニュートラル推進プロジェクト】

次に、6つ目の重点プロジェクト、カーボンニュートラル推進プロジェクトであります。

(家庭への再生可能エネルギー施設促進・公共施設への再生可能エネルギー施設導入)

国が示す「脱炭素ロードマップ」の目標に基づき、公共施設への太陽光発電設備設置に向けて取り組みます。あわせて、市民のみなさんには、家庭への再生可能エネルギー設備の導入や省エネ家電への買い替えや省電力化、生ごみ堆肥化など身近な取り組みへの支援を行い、カーボンニュートラルへの意識向上と実現を目指します。

2【共通基盤】

次に、それぞれの施策や事業を推進していくうえでの、共通基盤について説明します。

(1)【こまがねDXの推進】

全ての共通基盤となるDXの推進について、令和4年度策定しました「こまがねDX戦略」に基づき、国の「デジタル田園都市国家構想交付金」を活用し推進してまいります。

行政DX分野では「施設などのオンライン予約サービス」「キャッシュレス決済導入」などに取り組み、業務の高度化・効率化を図ってまいります。

地域DX分野は「省力化機器導入によるスマート農業の推進」や「観光地ICT化・サイクルツーリズムの実現に向けた実証実験」などに取り組み、デジタル技術を生かした、新たな時代にふさわしい、市民サービスを創出してまいります。

3【基本目標】

次に、将来像を実現するための5つの基本目標に沿って説明します。

(1)【ひとづくり】

始めに、1つ目の基本目標の「ひとづくり」であります。

(妊娠期から子育て期の切れ目ない支援)

妊娠期から子育て期の切れ目ない支援では、妊婦健診の公費負担や不妊治療医療費の助成の継続、多胎妊婦健診の追加費用、新生児の聴覚検査費用の補助を新たに実施し、母子の負担軽減等につなげてまいります。

また「パパママ教室」では妊娠期8カ月教室を新たに実施し、妊婦や家族の不安の軽減や円滑な育児開始を支援します。

疾病の発症及びまん延を予防し子どもの健やかな成長を支援するために、各種の予防接種をより安全に実施してまいります。

(家庭・地域の子育て力の向上)

新たに策定した保育・幼児教育ビジョンの実現のため、関係する事業を包括的にコーディネートする幼児教育アドバイザーを配置し、子育て支援や幼保・小のかけ橋づくりを重点に進めてまいります。

近年の子どもを取り巻く環境の変化等を踏まえ、平成19年に策定した「こまがね子育て10か条」を見直し、更に浸透できるよう努めてまいります。

(幼児期の健全育成を推進)

保育・幼児教育ビジョンで「内から育つひたむきな子」を育てたい子ども像とし、重点的に取り組む3つのビジョンを示しました。

まず、幼児期から学童期まで切れ目ない保育・幼児教育を続ける「つなぎつながる架け橋支援」、次に特色ある自然を生かした保育・幼児教育を実践する「自然に包まれ遊んで育つ」、3つめは世界に触れる保育・幼児教育を実践する「世界とつながるあったか保育」で、駒ヶ根市の特色を最大限に活かし、生きる根っこを育ててまいります。

こうしたビジョンを踏まえ、保育園・幼稚園の施設整備方針について、適正規模や適正配置等を関係者のみなさんと協議を進めてまいります。

(子どもの食育を推進)

食育では、食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実現できる人間を育てるため、食育を推進してまいります。

(学校教育の充実)

学校教育では、確かな学力や豊かな人間性、健やかな体を育成し、夢や希望を抱いて自らの力で未来を切り開く子どもを育てるための施策を推進してまいります。

ICT教育環境では、個別最適な学びを目指して学習用ドリルアプリの導入などを進めてまいります。

近年増加している食物アレルギーを持つ児童生徒に、さらに安全・安心な給食を提供できるよう、新たに栄養士を1名配置し体制を充実します。

また、老朽化が課題となっている竜東給食センターについて、あり方検討委員会や学校給食センター運営委員会において、児童生徒の減少なども考慮し適正な整備について引き続き検討を進めてまいります。

(学校・家庭・地域社会との連携強化による教育力向上)

増加傾向にある、不登校児童・生徒への支援についても、引き続き担当指導主事、教育相談員等を配置、関係機関等と連携しICT技術も活用して進めてまいります。

(生涯学習を推進)市内各地域の風土に根ざした文化、市民のみなさんが育んできた歴史、伝統を学ぶ機会や多様なライフスタイルに合った学習機会を提供してまいります。市内3公民館と文化センターなどの利用促進も行い、生涯学習と社会教育活動を支援します。

(文化財の保存と活用)

文化財につきましては、学芸員を配置し埋蔵文化財の保存管理に努め、指定文化財の周知と活用を促進し、計画的な修理・保存に努めてまいります。

第1期改修工事を終えた名勝光前寺庭園整備では、シンポジウムを開催し文化財の周知と保存活動への理解を深める機会とします。

(文化芸術活動を推進)

文化センターについては、建築後36年が経過し老朽化が進んでいることから、長寿命化を図るため、改修のための基本計画の策定を進めてまいります。

図書館事業では、第4次駒ヶ根市子ども読書活動推進計画に沿って、小学1年生対象のサードブック事業での本の配布など、若い世代の読書活動を推進してまいります。

さらに、文化芸術や音楽を通じて生きる力を育む事業として、ジュニア駒展、ジュニア和楽器隊や弦楽器教室、学校授業へのプロの講師派遣などを行い、次世代を担う子どもたちの健全育成に引き続き取り組んでまいります。

(市民スポーツを推進)

令和5年度の「信州駒ケ根ハーフマラソン」は第10回の記念大会を迎えます。ゲストを迎え、選手や大会ボランティア、沿道の応援など大会に関わる全てのみなさんが充実感を味わっていただけるよう、運営に努めてまいります。

また、令和10年に長野県で開催される第82回国民スポーツ大会に向けて、競技会場の基本設計を行います。県を始め中央競技団体、地元関係者、関係団体等と協議し準備を進めます。

(市民参画の促進と市民活動の推進)

市民参画の促進と市民活動の推進では、持続可能なまちづくりを進めるため、多様な主体がそれぞれの違いを認め合い主体的・自発的に活動できる「広場のようなまち」づくりのための環境や制度を整えてまいります。

(国際交流と多文化共生を推進)

国籍を超えた市民が認め合い多様性を尊重し、誰もが地域社会の一員として活躍できる社会づくりに向け、引き続き国際交流と多文化共生の推進にも力を入れます。

駒ヶ根市には、全国に2か所しかない青年海外協力隊訓練所(JICA)や、協力隊員OBを中心に組織された青年海外協力協会(JOCA)の本部があります。市民のみなさんによる「みなこいワールドフェスタ」や「母子保健プロジェクト」の継続的な取り組みや、「仮称アジア版ダボス会議」への発展を見据えた「駒ヶ根フォーラム」の開催などに取り組んでまいります。

(人権が尊重される社会の実現)

また、人権が真に尊重される社会を実現するため、令和4年度から導入した駒ヶ根市パートナーシップ宣誓制度を活用し、性的マイノリティーや事実婚カップルなどのみなさんの生きづらさや困りごとを軽減し、誰もが暮らしやすい社会に向け事業を推進してまいります。

(男女共同参画社会づくりの推進)

駒ヶ根市男女共同参画計画に基づき、男女が人権を尊重し、あらゆる分野で個性と能力を発揮し、責任を分かち合い、自分らしく生きることができる社会に向け事業を推進してまいります。

(2)【健康づくり・支え合いの地域づくり】

次に、2つ目の基本目標の「健康づくり・支え合いの地域づくり」についてです。

(健康づくり習慣の普及)

健康づくりでは、健診を受けやすい環境をつくるため、自己負担額の引き下げを行い、受診率の向上・保健指導の充実を図ってまいります。

がん患者の治療や副作用による外見変化の悩みを支援する「アピアランスケア」として、医療用ウィッグや乳房補正具などの購入費用の一部を助成し、患者の心理的・経済的負担の軽減を図り、社会参加の促進を図ってまいります。

令和6年度から10年度までを計画期間とする第7次総合保健計画を策定し、誰もが住み慣れた地域で健康にいきいきと暮らせるまちづくりを進めてまいります。

(高齢者の保健・福祉・介護の体制を整備)

健康寿命の延伸を図るため、通いの場などにおいて介護予防・フレイル対策として、運動・口腔・栄養等の指導を行い、生活習慣病などの疾病予防・重症化予防を一体的に実施してまいります。

(健康保険・福祉医療制度の運営)

物価高騰や新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい経済状況を考慮し、国民健康保険事業基金を活用し国保税率は据え置きます。

令和5年度は、「長野県国民健康保険運営の中期的改革方針」を踏まえ、資産割の廃止を含めた算定方式の変更など、国保運営の県広域化に向けた具体的な方針をお示しできるよう、検討を進めてまいります。

また、特定健診の受診率向上など、保健事業による健康増進に取り組み、健全な国保財政の運営に努めてまいります。

なお、令和6年秋に現行の健康保険証を原則廃止とする国の方針が示されたことから、マイナンバーカードの普及促進に努め、利便性の高い「マイナンバーカードの健康保険証」への切り替えを積極的に推進してまいります。

(地域医療体制の充実)

医療と介護の両方を必要とされる高齢者の方が、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、在宅医療と介護を一体的に提供するため、医療機関と介護事業所等関係者との連携を進め、支援体制の充実を図ってまいります。

(障がい者の生活支援と社会参加を推進)

障がい者のみなさんへの支援については、必要な支援やサービスを利用し地域の一員として、安心していきいきと暮らし、自立に向けた生活を送ることができるよう、生活支援と社会参加を推進してまいります。

(生活困窮者への支援)

生活に困窮する方への支援は、「まいさぽ駒ヶ根」「ひとり親支援」「女性相談」等の相談窓口を入り口に関係部署と連携し、生活困窮者に寄り添い自立に向け、実情に応じた支援を進めてまいります。

(3)【ひとの流れづくり】

次に、3つ目の基本目標の「ひとの流れづくり」についてです。

(地域資源を活かした魅力ある観光地域づくり)

全国旅行支援や駒ヶ根お宿割の利用により駒ヶ根市への観光客は増加しており、今後国内外から、さらに増加することが見込まれます。

ウィズコロナ時代の本格化にともなう、観光需要に対応するために、事業者のみなさんが施設や商品の企画などの付加価値を高めるための支援をしてまいります。

また、市民のみなさんに中央アルプスの魅力を体感いただけるよう、ロープウェイ利用促進補助も継続します。サマーシーズンに観光客はもちろん市民のみなさんにも楽しんでいただける、高原の夏祭も開催してまいります。

こうした取り組みによって、観光資源をブラッシュアップし「駒ヶ根ファン」を増やすよう努めてまいります。

(移住・定住の促進)

コロナ禍で多様化したライフスタイルにより、子育て世代を中心に地方移住への関心が高まっています。移住・定住事業者でつくる「信州駒ヶ根暮らし推進協議会」と連携して都市圏でのセミナーや相談会、市内での体感会を開いて駒ヶ根の魅力を伝え、移住・定住につなげてまいります。

また、地域おこし協力隊を新たに任命し、空き家を活用した移住を促進し補助制度も拡充してまいります。

さらに、国・県が地方移住制度を拡充することにあわせ、東京圏から移住する方に向けた支援を拡充し、多様な就業先も選択できるよう、官民での取り組みを推進してまいります。

(関係人口の創出・拡大)

駒ヶ根市に思いを寄せるさまざまな人々が、市民のみなさんとともに、まちづくりや地域づくりに関わり駒ヶ根市への愛着を深め、交流や定住につながる取り組みを進めてまいります。

具体的には、「テレワーク事業」や「ワーケーション事業」などにより、駒ヶ根市を楽しんでもらう仕組みづくりや、若い女性を中心に、関係人口も含めた新たな市民を創造するために取り組む「シンKOMAGANEプロジェクト」、ふるさとを離れた若者が地域に戻りたくなる動機づくりを目指す「ウミガメプロジェクト」などに取り組み、駒ヶ根市とのつながりを持つ人々の創出を図ってまいります。

(4)【しごと・ものづくり】

次に、4つ目の基本目標の「しごと・ものづくり」についてです。

(優良農地の確保と有効活用・農村環境の保全)

持続可能な農業の実現に向け、中山間地域直接支払事業、多面的機能支払事業による農地や農業施設の保全に取り組み、防災機能の維持・強化となる農業用水路等の整備を推進します。

優良農地の確保と有効利用を促進し、耕作放棄地の発生防止・解消にも取り組んでまいります。

(暮らしを豊かにする魅力ある地域農業を創出)

農業従事者の高齢化や担い手不足といった課題を踏まえ、引き続き営農センターを中心に魅力ある農業の実現に向けて取り組んでまいります。

農地の効率的かつ総合的な利用を図るため、「地域計画」の策定に取り組みます。

担い手への農地の集積・集約化、守るべき農地の明確化、多様な経営体の確保や育成方針など、「10年後の目指すべき農地利用の姿」や「駒ヶ根市農業の将来のあり方」について、地域での合意形成を図り進めてまいります。

 駒ヶ根市の主要農産物の一つである水稲については、米価下落を防ぐためにも、引き続き需要に見合った適正生産に努めます。高収益作物の栽培面積の拡大を推進し、6次産業化につきましては、さらなる栽培面積や販路の拡大を図り、新たに取り組む農業団体等に対し支援してまいります。

また、竜東振興プロジェクトと連携し、シルクミュージアムのあり方を検討し、将来ビジョンの再構築に取り組んでまいります。

駒ヶ根市地方公設卸売市場は、令和5年度をもって閉鎖します。廃止にあたって、学校給食における地元農産物供給体制の構築を図り、影響が最小限となるよう取り組んでまいります。

(新しい技術を活かしたスマート農業を推進)

スマート農業の実証研究や研修会等を実施するとともに、スマート農業機械や機器などの導入に向けて積極的に支援してまいります。

(多面的機能を発揮して暮らしを守る森林づくり)

林業振興では、森林環境譲与税等を活用した事業や林道開設事業、松くい虫防除対策事業に継続して取り組むとともに、ニホンジカやニホンザル等による農作物被害を防ぐため、有害鳥獣対策事業を推進してまいります。

また、企業の寄付金等を活用し潤いと憩いの空間を創出できるよう、駒ヶ根高原等において森林整備を順次進めてまいります。

(活力ある商業・サービス業の振興)

商業振興では、それぞれの店が地域特性や消費者ニーズに応じ、魅力的で個性的な力をつける必要があります。そのため、商工会議所と連携して商業環境の整備や経営力強化を支援し、経営基盤の安定を図ってまいります。

また、商工会議所が中心となって行う各種イベントを支援し、中心市街地の賑わい創出に協力してまいります。

(人が集まる「街なか」の魅力づくり)

中心市街地未来ビジョンの検討を進め、市民が想い描く中心市街地の将来像をデザイン化してまいります。

まちなかに人の流れを創出するための取り組みとして、「生涯活躍のまちづくり」を「生涯活躍のまち推進協議会」と連携して進めてまいります。

(新たな高付加価値産業の振興と企業誘致の推進・地域を支える中小企業の経営基盤強化と人材の創出)

ものづくり産業は駒ヶ根市の産業の大黒柱であり、持続的な発展が必要です。企業の変革力を強化するため、テクノネット駒ヶ根を中心とした人材育成や中小企業者が行う新製品・新技術の開発や国内外への販路拡大を促し、稼ぐ力を強化する支援を行ってまいります。

また、大学・高校など教育機関との連携や外国人労働者の受け入れなど、駒ヶ根雇用対策協議会の事業の充実などにより、地域経済を支える人材の確保に努めてまいります。

(5)【安心・快適なまちづくり】

次に、5つ目の基本目標の「安心・快適なまちづくり」についてです。

(資源循環型社会の形成)

環境衛生対策では、「駒ヶ根市ごみ減量行動計画(第4期)」に基づき、資源物の分別徹底、生ごみの減量化や各家庭での堆肥化、食品ロスの削減に向けた取り組みを通じて、ごみの削減を推進してまいります。

「プラスチック資源循環促進法」の施行に伴う製品プラスチックの資源化の推進については、広域連合と連携し実現に向けた検討を進めます。

また、ごみ出し弱者に対する支援策や大田切リサイクルステーションのあり方についても検討を進めてまいります。

(環境保全の推進)

環境保全では、持続可能な循環型社会の実現に向け、市民のみなさんや事業者、行政が一丸となって、「第3次環境基本計画」に沿った環境負荷軽減への取り組みを進めてまいります。

また、中央アルプスに生息するライチョウは、環境省が行う保護増殖事業により順調に増えており、引き続き協力を続けるとともに市民のみなさんの環境保全への意識向上に努めてまいります。

(安心して暮らせる住環境の整備を推進)

住環境の整備では、都市公園が安全・安心な憩いの場としてご利用いただけるよう、「公園施設長寿命化計画」に基づき、計画的な修繕や更新を実施してまいります。

また、適切な管理が行われていない空き家が増加し、防災、衛生、景観など生活環境に影響を及ぼしています。一方で、地方移住への関心の高まりから空家の活用は重要となっています。

これらを踏まえ、「第2期駒ヶ根市空家等対策計画」に基づき、空家の発生の抑制や利活用など、地域や関係機関等と連携し対策を一層推進してまいります。

市営住宅については、「ストック活用計画」や「長寿命化計画」に基づき、外壁塗装やユニットバスの設置など住環境の整備を計画的に行ってまいります。

また、「第3期公営住宅等長寿命化計画」を策定し、住宅に困窮する世帯に対するセーフティネットを構築するとともに、効率的・効果的なマネジメントと、市営住宅のライフサイクルコストの縮減を図り、安心・安全な住環境の整備を図ってまいります。

地籍調査事業では、令和5年度は、飯坂西地区の調査に着手します。

(生活に密着した道路整備を推進)

生活道路では、各区の要望に基づき危険箇所の改良、老朽箇所の修繕等に取り組んでまいります。特に、通学路の歩道整備やグリーンベルト等の設置、既存歩道の危険個所の解消を進め、子どもや高齢者等すべての利用者が安全・安心して通行できるよう、対策を進めてまいります。

また、「橋梁長寿命化修繕計画」に基づく橋梁の予防保全、舗装については「舗装長寿命化修繕計画」に基づき幹線道路を中心に、重点的に改修を実施してまいります。

(幹線道路網の整備を推進)

リニア中央新幹線、三遠南信自動車道等、高速交通網へのアクセス向上を図り、産業・観光振興や交流人口拡大等、地域活性化に資する都市基盤整備を進めてまいります。

伊那谷の南北交通軸である国道153号伊駒アルプスロードについては、国の直轄権限代行事業として事業着手されました。国県などと連携し事業進捗に向けて取り組んでまいります。

また、「道路整備プログラム」に基づき光前寺南線、本曽倉線、中割経塚線等の道路改良事業に取り組みます。

(地域公共交通の確保)

数年後に開通が見込まれる「リニア中央新幹線」を地域活性化に最大限活かすため、長野県駅からの駒ヶ根市までの2次交通、3次交通の早急な構築に向け、県や関係団体等と連携して取り組んでまいります。

また、新しい予約配車システムを導入した「こまタク」の継続的な運行や、駒ヶ根高原などの観光地を中心としたエリアを周遊する「山麓周遊交通システム」の社会実装に向けオープントップバスによる実証実験に取り組むなど、安心・快適に利用できる地域公共交通の確保を図ってまいります。

(上下水道事業の持続と安全・安心を確保)

水道事業では、老朽化した切石第1配水池を改良し、吉瀬地区の浄水方法を膜ろ過方式に変更します。

また、基幹管路の耐震化と、老朽化した配水管及び配水池等の電気・機械設備の更新を計画的に進め、水道水の安定供給と安全・安心を図ってまいります。

公共下水道事業では、駒ヶ根浄化センターについて、ストックマネジメント実施計画に基づき、老朽化した機器類の長寿命化に取り組んでまいります。

また、接続促進に積極的に取り組み、水洗化率向上を目指してまいります。

農業集落排水事業では、7地区の維持管理適正化計画を策定し、処理施設の広域化等の検討に着手してまいります。

人口減少時代を迎え、上下水道事業の持続可能な事業運営のために、広域化等の検討を進めるとともに、施設等の計画的な修繕と正な維持管理等を行い、安全・安心の確保に努めてまいります。

(景観に配慮したまちなみを創造)

景観に配慮したまちなみの創造では、景観計画を進めるとともに、屋外広告物の改善に向けて取り組んでまいります。

(激甚化する災害への対策強化)

近年の気候変動により、地形が急峻で地質が脆弱な当地域では、大規模な土砂災害等が起こる危険性が高まっています。

土砂災害を防ぎ住民のみなさんの生命・財産を守るため、引き続き砂防事業等を推進します。特に、国県が進める砂防事業、急傾斜対策事業等について、地域と連携し事業促進を図ってまいります。

(地域防災力の強化)

各地で頻発する大規模な自然災害や、発生の確率が高まっている南海トラフ巨大地震、伊那谷断層帯地震など予想される大規模災害に備え、防災・減災対策の強化に引き続き取り組んでまいります。

土砂災害警戒区域等の変更に伴い、令和5年度は市内のハザードマップを全面改訂し、全戸配布します。

また、自主防災会における防災資機材・災害用備蓄資機材の更なる充実を支援し、地域防災力を強化してまいります。

地域の安全を守る上で、消防団の果たす役割と市民の期待はますます高まっています。機能や組織を維持するため、消防機関車両を更新するとともに団員の更なる処遇改善や、準中型自動車、バイクの免許取得補助制度を継続し、新規団員の確保につなげてまいります。

(防犯・交通安全・消費生活対策を推進)

安心・安全なまちづくりのため、警察や関係団体と協力し、防犯活動や交通安全推進活動に力を入れてまいります。消費者行政では、複雑多様化する「電話でお金詐欺」などの特殊詐欺の被害や、インターネット、訪問販売等による消費者トラブルに遭わないため、身近で相談しやすい消費生活センター窓口の充実に努めてまいります。

特に、特殊詐欺の被害や消費トラブルが多い高齢者と若者への啓発活動として、地域や関係機関と連携した見守り活動やさまざまな媒体を利用した啓発活動のほか、用途別のステッカーを用いた周知も進めてまいります。

駒ヶ根市消費生活センターは、伊南町村と広域連携して2年目を迎えます。構成自治体や県の機関等との連携を図りつつ、より効果的かつ効率的な運営を推進します。

4.【むすびに】

初めに申し上げました通り、新年度は日本にとって、ウィズコロナ時代の元年といえます。新年度予算は、駒ヶ根市が新たな世界へ飛び出す原動力となります。その意味で、スタートアップ予算としています。

今年1月、英国BBCの東京特派員が約30年滞在した日本での生活を振り返った記事が話題になりました。その中で、房総半島のある村を訪ねた際、若者たちが去り将来を悲観するお年寄りに、こんな美しい地域には住みたい人がたくさんいるといい「私たちが住んだら、どう思いますか」と尋ねた話が紹介されています。お年寄りたちは沈黙した後「私たちの暮らしを学んでもらわないと。簡単なことじゃない」と答えたそうです。特派員は、自分たちの村が消滅に向かっているのに、よそものの侵入を受け入れがたいと感じる反応に首をかしげています。

先に申し上げました通り、市内外のネットワークを広げていくことが、駒ヶ根市のさらなる発展につながっていくはずです。高い視点を持ち、柔軟に対応をしていくことを心掛け、市政に取り組んでまいります。

議員のみなさまにおかれましては、一層のご理解とご協力を賜りますよう、お願いします。市民の皆さんとともに、これからのまちづくりに取り組む決意を申し上げ、令和5年度の施政方針とします。

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更新日:2023年02月27日