市長施政方針

令和6年度施政方針(令和6年2月22日)

ともに創ろう

“誰もが自由闊達にいきいきと活躍する広場のようなまち”駒ヶ根

1.【はじめに】

本日、令和6 年第 1 回市議会の開会にあたり、 6 年度予算案を始め、市政の重要な議案の提案説明に先立ちまして、市政運営に対する私の所信の一端を申し上げます。

初めに、 1月の選挙では 多くのご支持をいただき、市長として2期目のスタートを切ることになりました。深く感謝を申し上げます。責任の重さを感じ、これからの4年間、引き続き、全力でまちづくりに取り組んでまいります。

さて、最近、大学時代に読みました、エーリッヒ・フロムの「自由からの逃走」に、あらためて、目を通してみました。フロムは 1900 年にドイツに生まれた、 社会心理学者で、ナチスの迫害を逃れ てアメリカに帰化し、活躍を続けました。有名な、この本の中で、彼は、現代人について、自由を求める一方で、その自由から逃れたいと望んでいるのだと指摘しています。 というのは、それ以前の時代にあった、すべての絆から解き放たれたものの、あらゆる物事に対して懐疑におしひしがれているというのです。こうした孤独に耐えられないために、現代人は自我を失う道を選ぶことになり、つまり、自由からの自由、すなわち、新たな束縛に導かれていくのだと分析しています。

この本の指摘に、当時大学生だった、私は大きな刺激を受けました。権威主義や強権政治といった外的要因ではなく、自分自身の内なる孤独から、人は進んで自由を放棄する恐れがあるのだという見方は、まさに現代的だと感じたのです。そして、1941年に書かれて、80年余りたった今も、大きな意味を持っていると考えます。

では、どうしたら、自由からの逃走を防ぐことができるのか。先ほどの本の中で、フロムは「自発的な愛と仕事に取り組むこと」だと指摘しています。問題の大きさに比べて、ある意味で、拍子抜けするような回答だと言えるかもしれません。ただ、彼は、その回答を実現するために、人々が、こうした活動ができるように環境を整えること、すなわち、社会や経済を健全に保っていくことが重要だと指摘しています。

振り返りますと、私の1期目は、ほぼコロナ禍と重なっていました。人と人が直接会い、交流を深めることが制限され、さまざまな行事が延期や中止を余儀なくされました。まちづくりの最も重要な根幹が脅かされることになり、行政の現場にいて、大変、悔しく残念な思いをしました。市民のみなさんも、さまざまな不自由を強いられ、同じように残念な思いをされたことと感じます。

あの日々の中で、私たちは、人と人が顔を合わせ、語らい、触れ合うことは決して当たり前のことではないのだと、あらためて痛感しました。100年に1度といわれた、感染症の世界的流行だったとはいえ、私たちの日常や活動を続け、発展させていくためには、工夫を重ね、守り育てていく覚悟が必要なのだと学んだのです。

ウィズコロナ時代を迎えた今、フロムが指摘する、自由からの逃走を防ぐための取り組みは、あらためて重要になっていると考えます。暮らしや価値観が大きく変わったことを踏まえ、「自発的な愛と仕事に取り組む」ことができるよう、環境を整えていくことは、コロナ禍を超えて、これからを生きていく私たちの義務であり、責任であると感じています。

こうした観点に立ち、あらゆる施策を見直し、新たな時代にふさわしい、まちづくりを進めていくこと。これが、2期目の最大の課題だと考えています。議員のみなさま、市民のみなさまには、引き続き、ご理解とご支持をいただきますよう、お願いをします。

2.【令和6年度当初予算案の概要】

それでは、今定例会に提案します、新年度予算について申し上げます。

令和6年度は第5次総合計画スタートから3年目の折り返しの年であります。ウィズコロナ時代の新しい、駒ヶ根市の姿を具体化していくため、重点プロジェクトや基本目標を達成するための事業に予算配分し、「まだ見たことがない駒ヶ根市の扉をひらく予算」としました。
また、エネルギー・物価高騰による市民生活への影響に対し、国の経済対策にあわせて、5年度補正予算と6年度当初予算を一体的に編成することで、切れ目のない迅速な取り組みを進めてまいります。

それでは、当初予算の概要を申し上げます。

一般会計の総額は163億円で、前年度当初予算と比べて、15億4,300万円、10.5%と大幅に増加しました。当初予算としては、過去最大規模です。特別会計・企業会計は、106億1,749万円で4億853万円、3.7%減少しました。この結果、6年度の予算総額は269億1,749万円、前年度当初予算と比べて11億3,447万円、4.4%の増加となりました。
 

3.【令和6年度の主要施策】

次に、主要な施策について、第5次総合計画に沿って順次説明します。まず、6つの重点プロジェクトについてであります。

1【重点プロジェクト】

(1)【少子化対策・子育て支援プロジェクト】

一つ目の重点プロジェクト、少子化対策・子育て支援であります。令和3年度に、市として宣言をしました「子育て全力応援」を踏まえ、5年度までの3年間を集中応援期間とし、プロジェクトチームを設けて、さまざまな施策を行ってきました。6年度からの3年間は、第2期の集中応援期間として、さらに、取り組みを充実させてまいります。

(結婚、妊娠、出産の希望支援)

はじめに、結婚、妊娠、出産の支援であります。

結婚相談所は、令和4年から取り組んでいる「移住婚の受け入れ事業」により、若い女性や都市部の方々の登録が増えています。引き続き、相談事業や出会いイベントなどのサポート事業を通じて、結婚を希望する皆さんに寄り添った取り組みを継続して行ってまいります。

5年には、国が事業化した「出産・子育て応援交付金」を活用し、引き続き「伴走型相談支援体制」を確保するとともに、妊娠時と出産時に応援ギフトをお贈りし、支援をします。

(成長過程に応じた子育て支援)

次に、成長過程に応じた子育て支援であります。

ファミリーサポート事業では、利用料の助成のほか、ハッピーママサポート事業や子育て短期入所事業の初回無料化など、支援拡充に努めてまいりました。その結果、需要が高まっていることから、6年度はコーディネート機能を強化し、利用拡大に対応してまいります。

子育て世帯の交流の場となる「いい育児の日事業」は、フリーマーケットや公民館、子育て支援センターのイベント等を開催してきました。6年度は、親子が集い、楽しめるイベントをさらに拡充してまいります。

東伊那ふるさとの丘のあゆみ館は、「市民が自然に親しみ、憩い、ふれあい、学習する場所」のひとつとして設置されていますが、利用促進が課題となっています。そこで、幼児期の親子が雨天でも遊べる「屋内キッズスペース」に転用することとし、6年度にリノベーション事業の設計に着手します。

また、都市公園の下平公園、丸塚公園の遊具等の更新を行い、安心して子育てができる環境の整備を進めてまいります。

(2)【共生社会づくりプロジェクト】

次に、2つ目の重点プロジェクト、共生社会づくりであります。年齢や障がいの有無などにかかわらず、誰もが生きがいと暮らしやすさを感じられる「地域共生社会」の実現に向けた基盤づくりを推進してまいります。

(包括的支援体制の整備)

少子高齢化、人口減少などが進み、私たちの暮らしを取り巻く課題への対応は、これまでの仕組みだけでは難しくなってきています。「生活困窮」「引きこもり」「障がい」「介護」「子育て」等、複合化・複雑化した課題に対し、制度や分野の垣根を超えて、多様な主体がつながり包括的に支援する、重層的支援を本格的に実施してまいります。

(地域活動の担い手の育成)

また、共生社会を構築するためには、地域活動の担い手が重要となります。市民の皆さんの地域福祉への意識を醸成し、ボランティア活動への啓発や住民主体による支え合い体制の充実を図り、共感やつながりをベースにした担い手の育成を図ってまいります。

(3)【生涯活躍のまちづくりを軸とした中心市街地(まちなか)再構築プロジェクト】

次に、3つ目の重点プロジェクト、生涯活躍のまちづくりを軸とした中心市街地(まちなか)再構築です。

(多世代・多文化交流の促進・新たな人の流れ)

令和6年度も引き続き「地域再生推進法人」である、青年海外協力協会(JOCA)をはじめ、「生涯活躍のまち推進協議会」と連携し、「人生100年型 多世代交流コミュニティの実現」をコンセプトとする「駒ヶ根市版生涯活躍のまち構想」の実現に引き続き取り組んでまいります。

JOCAの運営する施設としては、「ゴッチャウェルネス駒ヶ根」に続き、本年4月には、小規模保育所「J‘s保育園駒ヶ根」が銀座通りに開園し、まちなかに子どもたちや親子の新しい人の流れが生まれます。

こうした動きとともに、地域資源を活かした「駒ヶ根版ワーケーション」や「教育旅行」など、「学びと交流のプログラム」を進め、市内外の多様な人々が関わり合う場を創出してまいります。

また、優良建築物等整備事業を活用した、中心市街地の再生にも取り組んでまいります。

(活躍の場づくり)

さらに、市民団体の活動拠点である「市民活動支援センターぱとな」の活用を通じて、多様な人々の「活躍の場」を創出してまいります。

(健康増進)

「ゴッチャウェルネス駒ヶ根」では、活動量計を使った健康づくり事業や、健康、介護予防に関する相談にあたっています。

また、健診を受けやすい環境づくりとして、各種健診や大腸がん検診の検体受付を、引き続き、土日夜間を含めて行ってまいります。

(まちなかの魅力を高める)

こうした取り組みとあわせて、「こまがねテラス」や、令和5年度にスタートした「エリアプラットフォーム」とも連携し、中心市街地に魅力と賑わいを創出してまいります。

なお、「駒ヶ根市版生涯活躍のまち構想」は、6年度に最終年度を迎えることから、事業のまとめ及び新構想の構築を進めてまいります。

(4)【竜東振興プロジェクト】

次に、4つ目の重点プロジェクト、竜東振興であります。竜東の玄関口である、新宮川岸地区で、リニア発生土を活用した圃場整備事業の推進と、この事業で確保される非農用地に、農産物直売所や加工施設などの農業振興施設の設置事業を進めてまいります。

令和6年度は、現在行っている土地造成工事を進め、次の段階である圃場整備工事に着手するとともに、施設整備に向けた基本設計に取り組んでまいります。
また、施設完成後の管理・運営体制や、農産物の供給体制の確保に向けた取り組みも進めてまいります。

(竜東地域における農業振興と地域の賑わい・活性化の推進)

新たに整備する施設につきましては、「シルクミュージアム」や「ふるさとの家」などの既存施設と連携し、一体的に活用することで、竜東地域の農業振興や賑わいづくり・活性化を図ります。さらに、駒ヶ根高原や中心市街地と連動した市全体の発展にも繋げてまいります。

このうち、シルクミュージアムにつきましては、5年度に方向付けした「今後の在り方」に沿い新たな取り組みを展開してまいります。6年度は、バイオ薬品の開発に向けた繭の活用のための、仕組みづくりをスタートさせます。

(5)【地域資源を活かした観光地域づくりプロジェクト】

次に、5つ目の重点プロジェクト、地域資源を活かした観光地域づくりであります。地域資源のブラッシュアップや情報通信技術の活用などにより、魅力的な地域を目指してまいります。

(駒ヶ根高原グランドデザインを基軸とした観光施策の展開)

駒ヶ根高原グランドデザインを基軸とした観光施策では、令和6年度の主な事業として、サイクルツーリズム造成事業、駒ヶ根高原周遊プラン造成事業、里山利活用整備計画策定に取り組みます。あわせて、近年人気のあるアウトドアレジャーをさらに推進するために、駒ヶ根キャンプセンターリノベーションの実施設計を行い、今後の需要増加に対応するための取り組みを進めてまいります。

また、引き続き、観光地周遊交通システムの導入に向けた検討や、関係事業者と連携した中核観光拠点施設の構想づくり、テレワーク・ワーケーションの推進、来訪者と地域住民の満足度を上げるための取り組み、SNS等を利用した情報発信の充実など、一つ一つ積み上げていきます。滞在型観光を目指すとともに、地域資源を活かした観光地域づくりに取り組んでまいります。

(中央アルプス国定公園の魅力を活かした活用と適正な保全)

山岳観光では、中央アルプス国定公園の魅力を活かした利用と、適正な保全に努めてまいります。

登山者・観光客・地域住民の皆さんに「また来たい」と思っていただける山岳観光都市を目指してまいります。

主な事業としては、檜尾岳登山道や千畳敷カール内遊歩道の改修、縦走路及び登山道の維持管理、檜尾小屋及びテント場の適正管理、中央アルプス国定公園の情報発信などを行い、中央アルプスの魅力を活かした誘客を進めてまいります。

また、中央アルプスの魅力を広く発信するため、「信州山の日」とタイアップしたイベントなどを、観光協会や関係事業者の皆さんと連携して、開催してまいります。

貴重な自然環境を後世に残していくため、適正な維持管理や環境保全活動を強化するとともに、山岳遭難を未然に防止するため安全登山に係る取り組みも強化します。

(6)【カーボンニュートラル推進プロジェクト】

次に、6つ目の重点プロジェクト、カーボンニュートラル推進プロジェクトであります。

(家庭への再生可能エネルギー施設促進・公共施設への再生可能エネルギー施設導入)

温室効果ガスの排出抑制によるカーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みが、世界規模で急速に進展しています。

駒ヶ根市では、国が示す「脱炭素ロードマップ」の目標に基づき、公共施設への太陽光発電設備設置をはじめ、市民の皆さんが気軽にできる、さまざまな取り組みに対する、えがおポイントの交付などの支援、水力発電なども含めた再生エネルギー施設の設置事業者等への協力などを通じてカーボンニュートラルを推進してまいります。

また、「長野県地域と調和した太陽光発電事業の推進に関する条例」と「駒ヶ根市太陽光発電事業の適正な実施に関する要綱」に基づき、適正な太陽光発電設備の設置を誘導してまいります。

2【共通基盤】

以上重点プロジェクトについて説明しました。
次に、それぞれの施策や事業を推進していくうえでの、共通基盤について説明します。

(1)【自治体DXの推進】

あらゆる施策を推進するための共通基盤となる、DXの推進は、「こまがねDX戦略」に基づき取り組んでまいります。

行政DX分野では、令和5年度に、公共施設のオンライン予約サービスや窓口でのキャッシュレス決済を導入するなど、市民の皆さんの利便性向上を図ってまいりました。6年度は引き続き、公共施設におけるスマートキーシステム導入など、さらなる市民サービス向上に努めてまいります。

地域DX分野では、スマート農業の推進に引き続き取り組むほか、子育て世代を中心に、デザインや画像処理系のテレワーク業務を受託できるよう、専門的なデジタルスキルを習得するための研修事業を新たに実施してまいります。

3【基本目標】

次に、将来像を実現するための5つの基本目標に沿って説明します。

(1)【ひとづくり】

始めに、1つ目の基本目標の「ひとづくり」であります。

(妊娠期から子育て期の切れ目ない支援)

妊娠期から子育て期の切れ目ない支援では、妊娠届時から伴走型相談支援を行い、妊婦健診の公費負担や不妊治療医療費の助成等を継続し、産後ケア事業の利用者の自己負担減額のための支援と、低所得の妊婦の方への初回産科受診費用の補助を、新たに実施し、母子の不安や負担の軽減、関係機関との連携に努めてまいります。

疾病の発症及びまん延を予防し、子どもの健やかな成長を支援するために、各種の予防接種も、より安全に実施してまいります。

(家庭・地域の子育て力の向上)

改正児童福祉法により、子どもの権利を最大限尊重し、乳幼児の健康保持から児童虐待やヤングケアラー等への対応など、母子保健と児童福祉の一体的支援を推進する「子ども家庭センター」の設置が努力義務となりました。

駒ヶ根市では平成16年に設置した子ども課に、今回示されたセンターが担う機能を備え、取り組みを進めてまいりました。あらためて「子ども家庭センター」として位置づけ、国の施策や地域での課題に対してもスピーディーな対応を実施してまいります。

さらに、地域の子ども・子育てに関するニーズを適確にくみ取り、令和7年度から5年間の施策の指針となる「第3期駒ヶ根市子ども・子育て支援事業計画」を策定します。5年度に実施したニーズ調査を基に、6年度で策定を行います。

近年の子どもを取り巻く環境の変化等を踏まえ「こまがね子育て10か条」を見直し、新たに策定した「アルプスに響く 駒ヶ根子育て5つの道しるべ」を更に浸透できるよう努めてまいります。

(幼児期の健全育成を推進)

「保育・幼児教育ビジョン」では、育てたい子ども像を「内から育つひたむきな子」と定め、5つの施策と3つの重点課題について具現化を進め、駒ヶ根市の特色を最大限に活かし、生きる根っこを育ててまいります。

令和6年度は、このビジョンを踏まえた保育園・幼稚園の施設整備方針について、老朽化した施設の計画的な改修や適正規模や適正配置等を関係者の皆さんと協議を進め、施設整備を具体的に進めてまいります。

(子どもの食育を推進)

食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実現できる人間を育てるための食育も推進してまいります。

学校給食では、丸駒市場閉鎖に伴う、食材の新たな受け入れを赤穂学校給食センターで担い、地元産の野菜等の食材をできる限り多く活用し、安全・安心な給食の提供に引き続き努めてまいります。

(学校教育の充実)

学校教育では、確かな学力や豊かな人間性、健やかな体を育成し、夢や希望を抱いて自らの力で未来を切り開く子どもを育てるための施策を推進してまいります。

中学校では、生徒数の減少に伴ってクラス数が減少します。連動して減員する専科教員について、市費で配置し子どもたちの学習環境の整備と、教職員の負担軽減を図ってまいります。

インクルーシブ教育の一環として、県が市内小学校へ設置する「病児・身体虚弱特別支援学級」へ、市費で医療スタッフを配置し多様な学びの場を確保してまいります。

近年増加している食物アレルギーを持つ児童生徒に、さらに安全・安心な給食を提供できるよう、栄養士1名を引き続き配置し、体制を充実してまいります。

また、老朽化が課題となっている竜東給食センターについては、在り方検討委員会での検討を基に、児童生徒の減少なども考慮し適正な整備について引き続き検討を進めてまいります。

(学校・家庭・地域社会との連携強化による教育力向上)

増加傾向にある、不登校児童・生徒への支援について、引き続き不登校担当指導主事や中間教室適応指導員、教育相談員、子どもと親の相談員等を配置し対応してまいります。

さらに民間の関係機関等との連携を強化し、一人一台端末等も活用しながら、多様な学びの場の確保に努めてまいります。

(生涯学習を推進)

市内各地域の風土に根ざした文化、市民の皆さんが長い間育んできた歴史、伝統を学ぶ機会とともに、多様なライフスタイルに合った学習機会も提供してまいります。地域の活性化に取り組み、市内3公民館の活動や各分館活動の推進を図り、地域の皆さんと一緒に青少年の育成や生涯学習活動を推進してまいります。

市内公民館、文化センター、社会体育施設のDX化を推進し、オンラインでの予約状況の確認や、一部施設のオンライン予約を開始し利便性向上を図ってまいります。

(文化財の保存と活用)

文化財につきましては、博物館と付属施設である郷土館、民俗資料館の展示の見直しなどを行い、市民の皆さんへの文化財の周知と学習機会の活性化を図ってまいります。引き続き、埋蔵文化財の保存管理に努め、指定文化財の計画的な修理・保存を行い、活用を促進してまいります。

(文化芸術活動を推進)

文化センターについては、建築後37年が経過し老朽化が進んでいることから、長寿命化を図るため、改修基本計画に基づき、改修工事に着手し、令和6年度は、屋根及び外壁の改修工事を実施してまいります。

図書館事業では、第4次駒ヶ根市子ども読書活動推進計画に沿って、小学1年生対象のサードブック事業での本の配布など、若い世代の読書活動を推進してまいります。

さらに、児童生徒の文化芸術や音楽を通じて生きる力を育むための事業として、ジュニア駒展、ジュニア和楽器隊や弦楽器教室、学校授業へのプロの講師派遣など、次世代を担う子どもたちの健全育成に引き続き取り組んでまいります。

(市民スポーツの推進)

「第11回信州駒ヶ根ハーフマラソン」は、選手・大会ボランティア・沿道の応援など大会に関わる全ての皆さんが、それぞれの充実感を味わっていただき、地域の活性化や駒ヶ根ファンを増やす機会となる大会運営に努めてまいります。

また、令和10年に長野県で開催される、第82回国民スポーツ大会に向けて、競技会場の基本設計を行います。県をはじめ、中央競技団体、地元関係者や関係団体等と協議しながら、準備を進めてまいります。

(市民参画の促進と市民活動の推進)

また、行政や地域の情報を多様な手段を用いてわかりやすく市民の皆さんに伝えるため、新たにCATVのデータ放送を用いた行政情報の配信を開始してまいります。

(地域コミュニティの活性化)

地域コミュニティの活性化では、令和5年12月に立ち上げました「自治組織の在り方検討会」の中で、ウィズコロナ時代の人と人とのつながりや、地域コミュニティの在り方について検討を行ってまいります。改めて見直されています、防災での自治組織の役割や高齢者の方々を地域で支え合う機能など、さまざまな役割や基盤となる組織について20年、30年と持続可能な「駒ヶ根モデル」の創出に向け議論を進めてまいります。

(人権が尊重される社会の実現)

また、多様性を認め合い差別や偏見がなく、一人ひとりの人権が真に尊重される社会を実現するため、人権尊重に関する啓発活動や人権教育に取り組むと共に、駒ヶ根市パートナーシップ宣誓制度を活用し、性的マイノリティーや事実婚カップルなどの皆さんの生きづらさや困りごとを軽減し、誰もが暮らしやすい社会に向け事業を推進してまいります。

(男女共同参画社会づくりの推進)

男女共同参画社会づくりでは、駒ヶ根市男女共同参画計画に基づき、男女が人権を尊重し、誰もが個性と能力を発揮できる多様性に富んだ活力ある社会に向け、女性の参画拡大、ワークライフバランスの実現、魅力ある地域の創出などさまざまな施策を推進してまいります。

引き続き令和6年度も「あなたと私のいきいき講座」を定期的に開催し、幅広い観点から啓発活動に取り組んでまいります。

(国際交流と多文化共生の推進)

市民の皆さんが国籍を超えて相互に認め合い、多様性を尊重し、誰もが地域社会の一員として活躍できる社会づくりに向け、引き続き国際交流と多文化共生の取り組みを推進してまいります。

駒ヶ根市には、全国に2カ所しかないJICA青年海外協力隊訓練所や、協力隊OB、OGの方々を中心に組織された青年海外協力協会(JOCA)の本部があります。市民の皆さんによる「みなこいワールドフェスタ」や「母子保健プロジェクト」への支援や、外務省、JICAとの共催で4回目となる「駒ヶ根フォーラム」の開催などに引き続き取り組んでまいります。

(2)【健康づくり・支え合いの地域づくり】

次に、2つ目の基本目標の「健康づくり・支え合いの地域づくり」についてです。

(健康づくり習慣の普及)

令和6年度から10年度までを計画期間とする第7次総合保健計画に基づき、「すべての市民が健やかで心豊かに生活できるまちづくり」を基本理念として、その実現に向けた取り組みを進めてまいります。

循環器病対策を重点課題とし、健康診断及び各種健(検)診の必要性を啓発し、受診勧奨や受診機会の拡大などにより受診率の向上を図るとともに、丁寧な保健指導を行ってまいります。

(高齢者の保健・福祉・介護の体制整備)

認知症になっても希望をもち、生きがいのある暮らしを続けることができる地域を目指し、本人や介護者支援のため医師による個別相談の機会を拡充してまいります。

介護人材確保を図るため、介護等の職場体験、介護資格取得、職業紹介を組み合わせた入職までの一体的支援体制をつくってまいります。

(健康保険・福祉医療制度の運営)

国民健康保険は、国保税の県統一化に向けた令和9年度までの改革方針で示された算定方法に段階的に近づけるため、6年度から税率を改正します。

不公平感のある資産割を廃止するとともに、国民健康保険事業基金を活用して、低所得世帯の急激な国保税負担を緩和する内容としています。

また、特定健診の受診率向上など、保健事業による健康増進に取り組み、健全な国保財政の運営に努めてまいります。

なお、6年12月に現行の健康保険証が廃止されることから、マイナンバーカードの普及促進に努め、利便性の高い「マイナンバーカード健康保険証」への切り替えを積極的に推進してまいります。

福祉医療費は、18歳までの子どもの無料化のほか、障がい者や母子・父子など、医療費の経済的な負担軽減を引き続き実施してまいります。

(障がい者の生活支援と社会参加を推進)

障がい者の皆さんが、必要な支援やサービスを受けながら、住み慣れた地域の中で、安心していきいきと暮らし、自立に向けた生活を送ることができるよう、生活支援と社会参加を推進してまいります。

(生活困窮者への支援)

生活に困窮する方への支援は、アウトリーチ等を通じた継続的支援事業を拡充するとともに、「まいさぽ駒ヶ根」「ひとり親支援」「女性相談」等の 相談窓口を入り口に関係部署と連携し、生活困窮者に寄り添いながら、自立に向けた支援を進めてまいります。

(3)【ひとの流れづくり】

次に、3つ目の基本目標の「ひとの流れづくり」についてです。

(地域資源を活かした魅力ある観光地域づくり)

令和5年5月に、新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類に移行されて以降、観光需要が増加し、駒ヶ根市への観光客も急回復しています。

この機会を捉え、さらにお客様に魅力ある観光地として駒ヶ根市を選んでいただけるよう、地域の価値を高める観光地域づくりを推進し、誘客効果を高める事業を進めてまいります。

6年度は、外国人向けパンフレットのリニューアルや観光PR動画の作成をします。

また、ウィズコロナ時代の観光需要に対応するために、観光事業者の皆さんが施設や商品の企画などを高付加価値化するための支援を、5年に引き続き行ってまいります。

さらに、市民の皆さんに大変好評である中央アルプスの魅力を体感いただくロープウェイ利用促進補助は、市民の皆さんのほかに市制施行70周年記念として、友好都市の皆さんにも適用できるサービスを行ってまいります。

加えて、5年秋に初めて行った「駒ヶ根高原 夜の森テラス」は、市民や観光客の皆さんに大変好評でした。事業者の皆さんと連携し、さらに楽しんでいただける企画をしてまいります。
こうした取り組みを重ね、「駒ヶ根ファン」を増やすよう努めてまいります。

(移住・定住の促進)

次に移住・定住の促進です。コロナ禍を経て、世代を問わず地方移住に対する見方や考え方が変わり、子育て世代を中心に関心が高まっています。関係する事業者でつくる「信州駒ヶ根暮らし推進協議会」と連携して、都市圏でのセミナーや相談会、市内での体感会を通じて駒ヶ根市の魅力を伝え、移住・定住に繋げてまいります。

令和6年度は、子育て世代の皆さんがマイホームを取得する際に、物価高騰による負担を軽減するための、補助制度を新設します。
また、地域おこし協力隊による、空き家を活用した移住をさらに促進すると共に、そのための補助制度も継続してまいります。

(関係人口の創出・拡大)

さまざまなかたちで駒ヶ根市に思いを寄せる人々が、多様なかたちで、市民の皆さんとともにまちづくりや地域づくりに関わることができる社会を目指し、関係人口の創出や拡大にも取り組んでまいります。

生涯活躍のまちづくりで取り組んでいるワーケーションや教育旅行の誘致拡大、新たな市民の創造に取り組む「シンKOMAGANEプロジェクト」から生まれた「それ 駒ヶ根でできます」をキャッチフレーズとしたプロモーションなどを進めてまいります。

「ウミガメプロジェクト」では、地域探究講座の内容をさらに充実させるとともに、プロジェクトの第2ステージとして高校生の居場所づくり「KOMAGANE SPACE」を具体化させていきます。

(4)【しごと・ものづくり】

次に、4つ目の基本目標の「しごと・ものづくり」についてです。

(優良農地の確保と有効活用・農村環境の保全)

概ね10年後の地域の将来の農用地利用の姿を明確にした「地域計画」を令和7年3月までに策定し、農用地の適切な利用の増進や耕作放棄地の拡大を防ぐための取り組みを進めてまいります。

また、中山間地域等直接支払い制度や多面的機能支払交付金事業による農地や農業施設の保全に取り組み、農村地域が持つ機能の維持・発揮を図りながら、持続可能な農業の実現を図ってまいります。

(暮らしを豊かにする魅力ある地域農業を創出)

農業従事者の高齢化、担い手・後継者の減少、燃油・生産資材の高騰、内外の産地間競争の激化など、農業を取り巻く環境が益々厳しさを増す中、引き続き「駒ヶ根市営農センター」を中心に魅力ある地域農業の実現に向けた取り組みを進めてまいります。

その中で令和6年度は、今までにないスピードで変化する社会構造とそこから生まれる新たなニーズに即応できる地域農業の体制確保を目指し、営農センターの取り組みの基礎である「駒ヶ根市地域農業ビジョン」の全面改定を行ってまいります。

(新しい技術を活かしたスマート農業の推進)

また、スマート農業機械の導入補助事業を引き続き実施するとともに、農業経営の改善に繋がるスマート農業技術の導入に向けた研修機会の提供を行うなど、農業者の支援を行ってまいります。

(多面的機能を発揮して暮らしを守る森林づくり)

市域の75%を占める森林は公益的な多面的機能を有しており、生活基盤のさまざまな支えとなっています。これらの機能が十分に力を発揮し、豊かな市民生活に繋がるよう「駒ヶ根市森林整備計画」を中心に必要な取り組みを進めてまいります。

また、森林環境譲与税等を活用した林業振興事業や林道開設・改良事業、松くい虫防除対策事業に継続して取り組むとともに、ニホンジカやニホンザル等による農作物被害を防止するため、有害鳥獣駆除対策事業にも引き続き取り組んでまいります。

(活力ある商業・サービス業の振興)

商業振興では、それぞれの店が地域特性や消費者ニーズに応じて、魅力的で個性的な力をつけていく必要があります。

そのために、商工会議所と連携して商業環境の整備や経営力強化を支援し、経営基盤の安定を図ってまいります。

(人が集まる「まちなか」の魅力づくり)

また、昨年復活したKOMA夏など、中心市街地で行うイベントに支援をし、賑わいの創出に協力すると共に、魅力あふれる中心市街地の創出のため、こまがねテラスプロジェクトの活動をさらに推進してまいります。

令和6年度は、高校生と一緒に街の居場所づくりの創出や、都市部の大学生とも連携し、SNSを利用した情報発信も行ってまいります。

また、5年度に立ち上げたエリアプラットフォームの皆さんと共に、中心市街地未来ビジョンを基にした、今後の在り方についての検討を進めてまいります。

空き店舗となっていた老朽建物の解消による、防災面上の安全・安心、職住一体の住まいによるまちなか居住の促進、商店街との連続性による通りの賑わいなど、中心市街地の再生について、優良建築物等整備事業などにより進めてまいります。

まちなかにひとの流れを創出するため、中心市街地を主要なフィールドとして「生涯活躍のまちづくり」を進めてまいります。

(新たな高付加価値産業の振興と企業誘致の推進・地域を支える中小企業の経営基盤強化と人材の創出)

ものづくり産業は、駒ヶ根市の産業の大黒柱であり、持続的な発展が必要です。そこで、企業の変革力を強化するため、テクノネット駒ヶ根を中心とした人材育成や中小企業者が国内外への販路拡大を促すなど、引き続き、企業の稼ぐ力を強化する支援を行ってまいります。

また、深刻化している人材不足への支援策として、企業の求人活動や広告、遠距離通勤人材の通勤費用など、人材の確保及び定着のための費用の支援制度を新たに創設してまいります。

企業誘致では、令和5年度に行った産業適地調査の結果を踏まえ、国内企業へのアンケートや企業ヒアリング調査など、駒ヶ根市への企業立地の意向を探るための、企業立地ニーズ調査を新たに行い、次の産業用地開発を検討してまいります。

また、新たに、地元企業の学びや気付きのための勉強会や、マーケット・ニーズに合わせた新商品づくり、既存商品のブラッシュアップを専門家とともに行い、全国へ発信していくなど、地域の稼ぐ力を創出する実践の場も設けてまいります。

(5)【安心・快適なまちづくり】

次に、5つ目の基本目標の「安心・快適なまちづくり」についてです。

(資源循環型社会の形成)

環境衛生対策では、「駒ヶ根市ごみ減量行動計画」等に基づき、資源物の分別徹底、生ごみの減量化や各家庭での堆肥化、食品ロスの削減に向けた取り組みを通じて、更なるごみの削減を推進してまいります。

「プラスチック資源循環促進法」の施行に伴い、令和7年度からの製品プラスチックの資源化の実施に向け、広域連合と連携してさまざまな調整を進めており、今後、市民の皆さんへの周知と協力依頼を進めてまいります。

(環境保全の推進)

持続可能な循環型社会の実現を目指し、市民の皆さんや事業者と行政が一丸となって、「第3次環境基本計画」に即した環境負荷軽減への取り組みを進めてまいります。

また、環境省が行う保護増殖事業により、中央アルプスのライチョウは順調に増えています。市として、引き続き協力することで、市民の皆さんの環境保全への意識向上に努めてまいります。

(安心して暮らせる住環境の整備)

安心して暮らせる住環境の整備の推進では、都市公園が安全・安心な憩いの場として利用いただけるよう、「公園施設長寿命化計画」に基づき、計画的な修繕や更新を実施してまいります。令和6年度は、国の5年度補正予算による、下平公園、丸塚公園の遊具等の更新を行ってまいります。

また、適切な管理が行われていない空き家が増加し、防災、衛生、景観など住民のみなさんの生活環境に影響を及ぼしています。一方で、地方移住への関心の高まりから空き家の活用も重要となっています。

これらを踏まえ、「第2期駒ヶ根市空家等対策計画」に基づき、空き家の発生の抑制や利活用など、地域や関係機関等と連携して、空き家対策を一層推進してまいります。

市営住宅については、住宅に困窮する世帯に対する住宅セーフティネットを構築するとともに、効率的・効果的なマネジメントと、ライフサイクルコストの縮減を図り、安心安全な住環境の整備を図ってまいります。6年度は、「長寿命化計画」に基づき、ユニットバスの設置やサッシの断熱など、安心して住める住環境の整備を計画的に行ってまいります。

(生活に密着した道路整備の推進)

道路は大変重要なライフラインであり、安全で安心して通行できるよう整備を進めてまいります。

特に交通安全につきましては、赤須町線など通学路の歩道整備、飯坂地区におけるゾーン30プラスの実施、県道では駒ヶ根長谷線の通称「田沢の坂」の歩道整備について、県と地域の皆さんと連携して事業進捗に向けて取り組みんでまいります。

また、各区の要望に基づき危険箇所の改良、老朽箇所の修繕等に取り組みみ、橋梁や舗装の修繕については、長寿命化修繕計画に基づき改修等を進めてまいります。

(幹線道路網の整備)

幹線道路は「道路整備プログラム」に基づき、南北軸である伊南バイパスと新春日街道線(広域農道)とを結ぶ光前寺南線の整備と、伊南バイパス東側の中割経塚線の未整備区間について、事業化に向けて事業認可と都市計画決定を行ってまいります。この事業により、東西間交通の円滑化、安全・安心の歩行空間の形成等、市の抱える交通課題への対応を図ってまいります。更に、竜東地区の幹線道路である本曽倉線の整備を引き続き進めてまいります。

また、伊那谷の南北交通軸である国道153号伊駒アルプスロードについては、国の直轄権限代行事業として進められており、現在は、伊那市の天竜川渡河部について事業着手されています。駒ヶ根工区につきましても引き続き地域の皆さんと連携して早期事業着手に向けて取り組んでまいります。

(地域公共交通の確保)

高齢社会における効率的で効果的な交通手段の確保・維持のため、AI予約配車システムを導入した「こまタク」について、さらなる利便性の向上を図ってまいります。

また、昭和伊南総合病院の移転を見据え、新たな公共交通システムの導入の検討を進めるとともに、公共交通に対する意識調査として市民アンケートを実施し、今後の施策に反映してまいります。

令和5年度に実施した、山麓周遊バス実証実験「さんさんバス」につきましては、実施結果を検証し、実装のための課題解決に向け、引き続き実証実験2年目の取り組みを進めてまいります。
「リニア中央新幹線」を地域活性化に最大限活かすため、長野県駅から駒ヶ根市までの2次交通、さらに市内の3次交通の構築に向け、県や周辺市町村、関係団体等と連携して取り組んでまいります。

(上下水道事業の持続と安全・安心を確保)

水道事業では、安定供給と安全・安心の確保を図るため、基幹管路の耐震化と、老朽化した配水管及び配水池等の更新を計画的に進めてまいります。

公共下水道事業では、ストックマネジメント実施計画に基づく駒ヶ根浄化センターの機器類の長寿命化及び耐震診断に基づく施設の耐震補強を始め、管路の未普及解消に取り組み、水洗化率の向上を目指してまいります。

農業集落排水事業では、4地区の機能診断調査を実施するとともに、処理施設の広域化等の検討を進めてまいります。

上下水道事業の安全・安心の確保と持続可能な事業運営のため、施設の計画的な修繕と適正な維持管理を行うとともに、人口減少が進む中で引き続き広域化等の検討を進めてまいります。

(景観に配慮したまちなみの創造)

大切な財産である美しい景観を後世に伝えていくため、景観条例、景観計画に基づく規制や誘導に取り組んでまいります。

(激甚化する災害への対策強化)

近年、集中豪雨などにより全国各地で大規模な災害が発生しています。地形が急峻で地質が脆弱である、駒ヶ根市も、大規模な土砂災害等が起こる危険性は依然高いと言えます。

土砂災害を未然に防ぎ、住民のみなさんの生命・財産を守るため、土砂災害危険区域を中心に国・県と共に、砂防事業、急傾斜対策事業等について促進を図ってまいります。

(地域防災力の強化)

頻発する大規模自然災害や、発生確率が高まる南海トラフ巨大地震などに備え、防災・減災対策の強化にも引き続き取り組みます。

令和6年度は、防災行政無線システムの改修や、旧福祉センター跡地に防災広場を整備し、防災備蓄倉庫の新設や指定緊急避難場所の充実を図ってまいります。自主防災会においては、防災蓄資機材の更なる充実への支援を拡充し地域防災力を強化してまいります。

また、地域の安全を守る消防団の機能や組織を維持するため、消防機関車両を更新するとともに、準中型自動車、バイクの免許取得補助制度を継続し、新入団員の確保に繋げてまいります。

(防犯・交通安全・消費生活対策の推進)

警察や関係団体と協力し、防犯活動や交通安全推進活動に力を入れ、安全・安心なまちづくりを進めてまいります。

消費者行政では、年々複雑多様化する特殊詐欺の被害が増えています。「電話でお金詐欺」などの詐欺被害や、インターネット等を介した消費者トラブルに遭わないために、身近で相談しやすい消費生活センター窓口の強化に努めてまいります。特に、詐欺被害や消費トラブルが多い高齢者と若者への啓発活動として、地域や関係機関と連携した見守り活動や出前講座、二十歳を祝う会でのパンフレット配布など、さまざまな機会や手段を利用した啓発活動を引き続き進めてまいります。

また、広域連携している伊南地域の構成自治体や県の機関等との連携を図りつつ、より効果的かつ効率的な運営を推進してまいります。

4.【むすびに】

以上、2期目を迎えるにあたっての所信と、新年度予算案につきまして、申し上げました。就任時、危機的な水準にあった財政は、議員のみなさまや、市民のみなさんのご理解、ご支持をいただき、取り組みを進めた結果、将来負担比率が半減以下になるなど、大きく改善をしました。しかしながら、県内市町村では、なお最悪の水準であり、財政再建は途上であります。

さらに、今後、伊南行政組合として進める、昭和伊南総合病院の移転・新築を初めとして、暮らしを支えるための大きな投資も控えています。引き続き、バランスの取れた財政運営を進めるよう、心掛けてまいります。

議員のみなさまにおかれましては、一層のご理解とご協力を賜りますよう、お願いします。市民の皆さんとともに、これからのまちづくりに取り組む決意を申し上げ、令和6年度の施政方針とします。ありがとうございました。

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更新日:2023年02月28日