母子保健プロジェクト「JICA草の根技術協力事業」
事業紹介
事業概要
ポカラ市の課題の1つである高い妊産婦・乳幼児死亡率を改善するためのプロジェクトです。JICAが行う「草の根技術協力事業(地域活性型)」は、駒ヶ根市が提案自治体となり、実施団体のネパール交流市民の会とJICAが業務委託契約を締結し事業を行うものです。
当事業については、2015年から第1フェーズとして母子保健改善に取り組み、2017年からの第2フェーズでは活動エリアを拡大して取り組んできました。2023年からの第3フェーズでは「妊娠期から産後まで母児を地域で支える切れ目のない継続ケア」を目標に2年半にわたる事業を進めていきます。
プロジェクト目標
母子保健に関わるアクターを繋いで、妊娠期から産後まで母児を地域で支えることで切れ目のない継続ケアを強化する。
対象地域
ポカラ市第16区、第19区、第20区、第25区、第30区
カスキ郡マチャプチャレ地域、アンナプルナ地域、マディ地域、ルパ地域
ターゲットグループ
- 住民:約155,000人 (うち妊娠可能年齢女性人口 約47,400人)
- 母子保健医療従事者:約90人
- 女性地域保健ボランティア:約130人
事業実施期間
2023年1月~2025年6月(2年半)
活動内容
1 対象医療施設の医療従事者・地域の女性保健ボランティアの連携強化
- 継続ケアのためのネットワーク強化
- 母子健康記録帳の導入と活用
- 活動の成果について調査
2 医療従事者が研修を通じて産前・産後/新生児・乳児期のケアの能力強化
- 現地での研修
- 日本とつないだオンライン研修
- 本邦研修
3 女性地域保健ボランティアの地域における産前産後ケアの能力強化
- 産前・産後の保健指導と新生児・乳児期の成長発達の研修
- 乳房ケア施術能力の向上
- 保健指導チェクリストの開発と活用
4 医療施設へのアクセスが困難な妊産婦が安心して周産期を過ごせる体制強化
- お産を待つ家の活用促進
- 母親学級やプロモーション
5 両国の地域において市民の協力が促進され、民際活動への参加度が高まる
- プロジェクト協働推進組織との共同
- 市民による民際活動
- 両国の各組織が進捗と課題について協議する
- プロジェクトに関する広報活動や報告会、講演活動
活動
現地視察報告会

2023年3月~4月にネパールへ渡航いただいた3名による研修・視察報告会を5月25日に開催しました。
報告者
川手 幸子 助産師(幸助産院院長・駒ヶ根市)
赤羽 洋子 助産師(菜の花マタニティクリニック看護師長・伊那市)
竹原 泰世 母子保健専門家(ネパール交流市民の会・米国)
報告会には、プロジェクト協働推進グループ(長野県看護大学、菜の花マタニティクリニック、おひさま助産院、幸助産院)を中心に参加いただき、赤羽さんからは、日頃の臨床現場の視点からの現地の医療、ケアの様子を、赤羽さんと竹原さんからは、乳房ケア指導者育成の様子を報告いただきました。
また、赤ちゃんへの手作り祝い品や乳房ケア指導者育成で使用するおっぱいモデルに対して、現地の方が喜んでいる様子の報告もありました。
ネパールの母子保健改善のために、日本側の支援・協力が現状やニーズに沿ったものとなるよう、今後も横のつながりを強め、情報共有しながら進めてまいります。
開始式

(後列左から)長野県看護大学大塚学長、伊藤市長、小松原会長
2023年1月13日付けで、ネパール交流市民の会とJICAが業務委託契約を締結しました。これを受け、2年半にわたる事業を進めるにあたり、事業関係団体が集まり開始式を行いました。(2023年2月6日)
本事業は、長野県看護大学を中心として、上伊那地域のクリニックや助産院など母子保健関係機関が互いの知見を共有・連携して取り組む「プロジェクト協働推進グループ」を立ち上げ事業を進めていきます。
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企画振興課 地域政策係
〒399-4192
長野県駒ヶ根市赤須町20番1号
電話 0265-83-2111(代表) 内線242
ファックス 0265-83-4348
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更新日:2023年07月04日