悪徳商法のことを、他人ごとだと思っていませんか
悪徳商法の被害に遭ってしまった方に話を聞くと、多くの方がが次のように思っていたという調査結果があり、決して他人ごとではありません。
- トラブルに巻き込まれるのは一部の人で、自分は関係ない。
- 自分の息子の声を間違えるわけがない。
- 自分はだまされるわけがない。
- うちはそんなにお金がないから関係ない。
いつ、どのような手口であなたのところに来るかわかりません。相手のペースに飲まれないように、落ち着いて対処できるよう、詐欺の手口や対処方法を日頃から勉強しておくことも大切な予防方法の一つです。
以下では、よくある悪徳商法について、特徴や対応方法を紹介します。
架空請求・不当請求
携帯電話にいきなり、「サイトの利用料金が未納です至急連絡してください」などといったメールを送ってきたりします。
また、あたかも公的機関だと思わせるような名称を使い、ハガキ等を送り付け、「裁判となる」とか「給料や財産を差し押さえる」などといった内容で不安感をあおり、架空の料金を請求する手口もあります。
架空請求・不当請求に対する対処法
とにかく無視。支払わず、相手に連絡しないことです。
「連絡がない場合は法的手段を取ります」とか、「身に覚えのない方は至急連絡ください」などといった表示に惑わされ、あわてて連絡してしまうと、こちらの電話番号や個人情報などを相手に知らせてしまうことになります。疑わしい場合は、相手に連絡する前にまず相談してください
ワンクリック詐欺
アダルトサイト等で無料コンテンツを見ようとして、「18歳以上」などの年齢確認ボタンをクリックやタップしただけで、いつの間にか有料サイトに登録されたことになり、高額な料金を不当に請求されるというものです。
クリックやタップすることでパソコンやスマートフォンを再起動しても請求画面が何度も表示させたりするものや、カメラのシャッター音をさせて、自分の写真を撮影、送信させられたと思い込ませ、利用者を心理的に追い込んで料金を支払わせたりします。
ワンクリック詐欺の対処法
こちらが申し込んだり、登録しようとしたわけではないのに、確認もなく突然料金の請求をされた場合、契約成立したとはいえません。そういった場合、とにかく支払わず、相手に連絡しないことです。
「身に覚えのない方は連絡ください」とか、「誤操作の方は連絡ください」などといった表示に惑わされ、あわてて連絡してしまうと、こちらの電話番号や個人情報など相手に知らせてしまうことになり、退会の費用や手数料などを請求されてしまいます。
(注意)請求画面が何度も表示されてしまうといった場合の対処法は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のホームページで紹介されています。
ネット通販トラブル
ネット通販やオークションで、代金を支払っても商品が届かなかったり、見本の写真とずいぶん違う商品が届いたり、相手先と連絡が取れなくなったといったトラブルがあります。
また、ブランド品を注文したところ、明らかなニセモノが届いたが、事業者が返品に応じてくれないなどという相談も多く寄せられます。近年は、悪質な海外事業者も多数介入してきて、トラブルも増加しています。
ネット通販トラブルの対処法
商品を注文する前にきちんとその会社の情報や支払方法などを確認し、信用できる事業者かどうか見極めましょう。
そもそもサイト運営会社自体が実在していないため、個人名の口座へ支払うよう指定する悪質な手口もあります。
また、ブランド品等、価格が店頭価格と大幅に違う場合は注意しましょう。サイトの日本語表記がなんとなくおかしいと思ったら、海外事業者の運営するサイトだったといったケースもあります。こうした場合、事業者と直接話をすることが難しく、解決に時間がかかってしまいます。
サクラサイト商法
有名人や芸能関係者を名乗る人から「アイドルの相談相手になってほしい」とか「話し相手になってくれるだけで、高額なお礼を支払う」などと誘われ、連絡を取り合っているうちに有料メール交換サイトに誘導され、高額な利用料を請求されてしまうといったトラブルがあります。
サクラサイト商法の対処法
相手のわからないメールやサイトに興味本位で接続しないことです。
また、サイトへの登録や一定期間の利用が無料であっても、途中から有料となるサイトが多数あります。有料となる時点で、やり取り内容や相手が本当かどうか確認できない場合は、お金を支払わないようにしてください。
送り付け商法(ネガティブ・オプション)
注文していないのに商品を一方的に送り付け、受け取ったことで支払い義務があると勘違いさせて代金を支払わせようとする商法です。
開封してしまったことで返品を受け付けてもらえなかったり、代金引換等で支払ってしまうと返金してもらえないこともあります。商品を送るという電話が来て、「覚えがない」「注文していない」と断っても「注文したはずだから受け取ってもらわないと困る」などと強引に送られてくることもあります。
送り付け商法(ネガティブ・オプション)の対処法
注文した覚えのない荷物は受け取らないようにしましょう。
家族のだれかが注文したのだと思って受け取り、後で確認してみたら誰も注文していなかったといったケースが多くあります。本当に家族が注文したものかどうかはっきりわからない荷物は、いったん宅配業者に持ち帰ってもらい、確認が取れたら再配達してもらうこともできます。
利殖(もうかります)商法
投資や未公開株、外国の通貨、社債など「今買えば値上がり確実」「買っておけば必ず儲かる」など、利子や配当金などによって財産が増えることを強調して、投資や出資を勧誘する手口です。
勧誘する業者とは別の業者が「パンフレットが届いたら電話がほしい」「購入のために名義を貸してほしい」「高値で買い取る」などと消費者の投資意欲をあおり、商品や権利を購入するように仕向ける「劇場型」の手口や、過去に投資などで被害にあった人に対して被害回復を持ちかけ、さらにお金をだまし取ろうとする「二次被害」もあります。また、儲け話を断ると「名義だけでも貸してほしい」と持ちかけ、応じると後で「名義貸しは犯罪」などと脅して、解決金や和解金等の名目で料金を請求する手口もあります。
利殖(もうかります)商法の対処法
話を持ちかけられても、「必要ありません」とはっきりと断りましょう。
仕組みをよく理解せずに投資を行うのは非常に危険です。確実で簡単に儲かる方法なんてありません。取引を行う場合は、その事業者が許可等を受けているか事前に確認しましょう。また、そのような勧誘は電話によるものが多いことから、留守番電話や番号表示サービス等を利用して、相手のよくわからない電話にはなるべく出ないようにするというのも効果的です。
- 消費生活センターでは、「自動通話録音機」を無料で貸し出しています。
詳しくは以下のページから、または、消費生活センターへお問い合わせください。
訪問買取り
知らない業者に「不要の着物があれば買い取ります」と突然訪問され、話しているうちに指輪やネックレスなどの宝飾品を見せてほしいと言われたりします。
売る気もないのに見せてしまうと、十分な説明もないまま強引に安く買い取られてしまい、後で品物を取り戻そうとしたが、「もう処分してしまって無い」といわれたり、教えられた連絡先が架空で、事業者と連絡がつかなくなってしまったといったケースもあります。
訪問買取りの対処法
必要ないと思ったらすぐに「必要ありません」「お断りします」とはっきり断りましょう。
業者が訪問してきて、何か売ってほしい、見せてほしいなどと言われて家に上げたり、話を聞いてしまうと相手のペースに巻き込まれてしまい、断ることが難しくなります。また、「帰ってほしい」と伝えているのにしつこく勧誘されたり、脅されたりするなど悪質なものは警察を呼びましょう。
催眠(SF)商法
「景品をプレゼントします」「健康に良い話をするので、友達も誘ってきてください」などといって人を集め、閉め切った会場で日用品などを次々と無料で配ったりして雰囲気を盛り上げ、冷静な判断が出来ない状態にし、最終的に高額な商品を売りつける商法です。
催眠(SF)商法の対処法
販売員や近所の人などに誘われても、絶対に会場へ行かないようにしましょう。
とにかく会場に行かないことが一番です。チラシや引換券など「無料配布」につられて行き、会場に入ってしまうと、途中で帰りたいと思っても帰れなくなってしまいます。タダより高いものはありません。また、購入する前には、自分にとって本当に必要な商品か、金額が妥当かなど、今一度冷静に考えてみましょう。
点検商法
無料サービス中など、さまざまな口実を付けて屋根や床下を点検後、工事の必要もないのに「ひどい状態だ」「今すぐ工事しないと大変なことになる」などと不安をあおり、急いで契約させたりします。
以前に購入した布団のクリーニングをすると言って、勝手に新しい布団を置いていく場合もあります。
点検商法の対処法
必要ない場合は「お断りします」とはっきり断りましょう。
また、「無料サービス中だから」というだけの理由で見知らぬ人を家に入れないようにしましょう。
工事を依頼しようとする場合は、必ず別の事業者にも見積をしてもらって、本当に必要な工事かどうか、金額は妥当かなど、検討や比較をして信頼のおける事業者に依頼するようにしましょう。
詳しい内容等をお知りになりたい方や、もしかしたら悪徳商法かもと思われる案件に遭遇したりなどした場合には、以下の消費生活センターへご相談ください。
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更新日:2020年05月12日