駒ヶ根浄化センターの施設案内

施設の外観と特徴

駒ヶ根市の公共下水道終末処理場の名称は「駒ヶ根浄化センター」です。

駒ヶ根浄化センターは、純農村地帯(水田地帯)にあるため、建物の景観には特に配慮し、農村風景にマッチした施設としています。

管理棟

管理棟の写真

民家をイメージした母屋風とし、重心の低い安定感のある建物としました。

外壁には地元産のカラマツを使用して、暖かみを演出しています。廊下の床はフローリングを貼り、腰壁も木製で仕上げるなど、内装にも多くの木材を使用しています。

沈砂池ポンプ棟

沈砂池ポンプ棟の写真

施設の役割上、内部はコンクリート仕様ですが、外壁の腰壁には地元産の集成材を多く使い納屋風の造りとなっています。

水処理棟

沈砂池ポンプ棟同様に内部はコンクリート仕様ですが、外壁の腰壁に木材を使用することで、白い壁と黒い腰壁のコントラストが清涼感を演出する長屋風の造りとなっています。

ドラム・スクリーン棟

内部はコンクリート仕様ですが、外壁の腰壁に木材を使用し、納屋風の造りとしています。

汚泥処理棟

内部、外部ともにコンクリート仕様ですが、農家の蔵をイメージした土蔵風の造りとなっています。

正門

正門の写真

浄化センター入口には、正門の両脇に施設の安全を願い、道の安全を守る道祖神や水を守る水神様のような位置づけで、天竜川の「河童」伝説にちなんだ石像を設置してあります。

水処理施設の役割としくみ

沈砂池ポンプ棟

処理場に集められた汚水は、最初に沈砂池ポンプ棟に入ります。ここで大きなゴミはスクリーンで取り除かれ、汚水に混ざっている土砂等を底にしずめて取り除きます。

最初沈でん池

沈砂池ポンプ棟から送られてきた汚水は、この池で2〜3時間ほどかけてゆっくり流れます。この間に沈でんしやすい細かい泥は底に沈みます。

この沈んだ泥(生汚泥)は、汚泥処理施設へ送ります。

エアレーションタンク

最初沈でん池より送られてきた汚水は、ここで微生物の含まれる泥(活性汚泥)が加えられ、微生物のはたらきによって窒素やリンを除去したり、よごれを分解していきます。

エアレーションタンクには、4つの槽があり、攪拌をするだけの嫌気槽、空気を送り込む好気槽からなっています。これらの槽を組み合わせることによって、汚水処理を行っています。

汚水は、これらの槽で8〜9時間ほどかけてゆっくりと流れていくうちに、微生物は、汚水中に溶けている汚れを栄養として吸収し、水や炭酸ガスなどに分解して繁殖していきます。また、よごれを取り込んだ微生物は沈でんしやすい海綿状の泥となり沈でんしていきます。この工程により汚水が浄化されていきます。

窒素除去、リン除去の仕組み
窒素除去の仕組み

活性汚泥の中には、酸素のある状態(好気槽)で汚水中のアンモニアを硝酸に酸化(硝化)する微生物(硝化菌)がいます。

好気槽で硝酸にされた混合液を嫌気槽に移すと、酸素が無い状態を好む微生物(脱窒菌)は、硝酸を分解して呼吸をするために必要な酸素を得ます。この時、窒素ガスが大気中に放出されて除去されます。

【好気】汚水中に、溶存酸素が存在する状態

リン除去の仕組み

活性汚泥の中には、利用できる酸素が無い状態(嫌気槽)で体内からリンを吐き出す微生物(リン蓄積菌)がいます。この微生物は、酸素が利用できるようになると(好気槽)、吐き出した量以上のリンを体内に取り込む性質があります。この働きを利用して、汚水中のリンは汚泥中に取り込まれ、余剰汚泥として除去されます。

【嫌気】水に溶けた酸素や硝酸イオン・亜硝酸イオンが存在しない状態

 

最終沈でん池

エアレーションタンクで沈でんしやすくなった泥は、ここで4〜5時間ほどかけてゆっくりと流れていくうちに、池の底に沈んでいきます。上澄みのきれいな水だけを塩素混和池へ送ります。

沈殿した微生物を含んだ泥(活性汚泥)の一部は、種汚泥としてエアレーションタンクへ戻し、ふたたび利用します。残りの汚泥は汚泥処理施設へ送られ処理されます。

塩素混和池

最終沈でん池から送られてきた処理水は、この池で消毒され河川へ放流します。消毒には、次亜塩素酸ナトリウムを用います。処理水が塩素混和池へ流入する場所で添加し、およそ30分間接触させ、大腸菌群を滅菌しています。


以上が水処理施設の役割としくみです。

駒ヶ根浄化センターにおいて、良好な汚水の処理を行い一定の水質を保つためには、各家庭や事業所などから排出される汚水のよごれの度合いが直接影響します。そこで、市では下水道排水設備(水洗化)工事の完了時に、設置者の皆さんに「下水道使用の心掛け」を配布し、下水道の使用方法や注意についてお願いをしています。ご協力をお願いします。

この記事に関するお問い合わせ先
上下水道課 下水道係

〒399-4192
長野県駒ヶ根市赤須町20番1号
電話 0265-83-2111(代表) 内線532
ファックス 0265-83-1278
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更新日:2023年07月14日