中央アルプスの魅力再発見

中央アルプスは、令和2年3月に国定公園となりました。

私たちの生活に深い関わりのある中央アルプスですが、麓に暮らしているのに意外と知らない魅力がたくさんあります。

中央アルプスの植物(市報こまがね 令和3年6月号掲載)

千畳敷カールと木曽駒ヶ岳周辺は、場所により環境条件が異なることから、多様な植物が分布しています。

各場所での生育特徴
木曽谷側斜面上部 急斜面でやせた土壌のため、乾燥や強風により大形の草は生育できず、ヒメクロマメノキやハイマツなどが主体となっています。
尾根付近 砂利地が多く、チョウノスケソウなどの小形の美しい草が生育し、植物の種類もやや多くなります。
伊那谷側斜面 緩やかな斜面が複数箇所あり、植物育成に好都合な条件に恵まれています。シナノキンバイなどの大形の草やミヤマハンノキなどの低木が生えており、植物の種類は大変豊富となっています。


中央アルプスには希少な植物が多く、ヒメウスユキソウ、コケコゴメクサの2種類は固有種です。高山の厳しい自然の中で育つ植物は、地域の宝ですね。

中央アルプスの固有種ヒメウスユキソウ

中央アルプスの固有種ヒメウスユキソウ

中央アルプスの固有種コケコゴメグサ

中央アルプスの固有種コケコゴメグサ

中央アルプスの動物(市報こまがね 令和3年4月号掲載)

中央アルプスには、多くの野生動物が暮らしています。里に桜の花が咲く4月、中央アルプスの雪面にはオコジョやノウサギたちの足跡を目にすることがあります。さらに風薫る5月ともなると、ロープウエーの直下でニホンカモシカやツキノワグマなどを見掛けることもあります。

最近テレビや新聞でよく見る中央アルプスのライチョウは、1970年代までは頻繁に目撃されていましたが、近年は絶滅したといわれていました。しかし、2018年に北アルプスから飛来したとされる雌1羽が撮影され、これをきっかけに環境省はライチョウ復活プロジェクトを始め、昨年は19羽のライチョウが中央アルプスに放鳥されました。

豊かな自然の中で暮らす多くの動物たちに目を向けると、また違った中央アルプスの魅力が見えてきます。

岩場から顔を出すオコジョ

岩場から顔を出すオコジョ

中岳のライチョウ(吉田保晴さん提供)

中岳のライチョウ(吉田保晴さん提供)

冬毛のライチョウ(環境省提供)

冬毛のライチョウ(環境省提供)

中央アルプスの地形(市報こまがね 令和3年2月号掲載)

中央アルプスは、急峻で切り立った地形のため、麓からも3,000メートル近い山並みを間近に見ることができ、さらに氷河により形成された千畳敷カールを里から望むことができます。これは、全国的にも非常に珍しい特徴です。

中央アルプスの代表的な地形として、千畳敷カールや濃ヶ池カール、三ノ沢カールといった「カール地形」があります。そのうちの一つ、千畳敷カールは約2万年前に氷河が地面を削ってできた地形です。削られた岩のかけらはカールの下部に堆積し、「モレーン」という土手のような地形を造ります。このほかにも氷河湖など中央アルプスには特徴的な地形が多くあります。千畳敷カール周辺の地形をまとめたパンフレットを作成中ですので、ぜひご覧ください(4月以降に市商工観光課や観光案内所で配布予定)。

麓から望む千畳敷カール

麓から望む千畳敷カール

雪解けの千畳敷

雪解けの千畳敷

中央アルプスと麓との関わり(市報こまがね 令和2年12月号掲載)

早苗田と中央アルプス

中央アルプスは、多種多様な動植物や希少な氷河地形などが評価され、今年3月に国定公園に指定されました。中央アルプスが古くから麓に暮らす私たちの生活と深く結びついてきたことも、指定理由の一つとなっています。

古来より私たちは、山を仰ぎ見ながら生活を営んできました。春先には山肌に現れる雪形が農事の目安となり、夏には地元中学生による伝統の西駒登山も行われています。また、中央アルプスから湧き出る豊富な伏流水を使用した企業(食品、酒造、精密機器等)が多く操業しており、山からの恵みは地域経済を支える上でも欠かせない存在です。

中央アルプスの雪形

中央アルプスの雪形

山から湧き出す豊富な伏流水

山から湧き出す豊富な伏流水

この記事に関するお問い合わせ先
商工観光課 観光係

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更新日:2021年05月20日