中アのライチョウ復活を目指して(10月9日)

講演する環境省信越自然環境事務所の小林さん
第20回ライチョウ会議長野県駒ヶ根・宮田大会が、3日間の会期で開催されました。これは、絶滅の恐れがある国天然記念物ライチョウの保護を目的に、関係者や一般住民、研究者が集い研究成果や取り組みを報告するものです。初日は、駒ヶ根市文化会館大ホールで公開シンポジウムが行われ、環境省信越自然環境事務所の小林篤さんと元神戸大学教授で宮田村教育委員の伊藤一幸さんが講演。県内外から参加した約300人が聴講しました。
中央アルプスのライチョウは、半世紀ほど前に絶滅したとされていましたが、平成30年7月に登山者が雌1羽を確認。これをきっかけに、令和2年度から中央アルプスでライチョウ復活プロジェクトが始まりました。このプロジェクトに携わる小林さんは、日本のライチョウの特徴や、保護増殖の取り組みについて解説。ケージによる保護や捕食動物の捕獲、県内外の動物園での飼育など試行錯誤を重ね、着実に個体数を増やしてきたことを報告しました。現在、80羽以上のライチョウが、中央アルプスのほぼ全域に分布しているそうです。小林さんは「もう見守るだけでは守れない。比較的個体が残っているうちに手を付けないと手遅れになる」と訴えました。
2日目は駒ヶ根市文化会館大ホールで専門家会議が開かれ、3日目はライチョウ観察会が中央アルプス駒ヶ岳周辺で行われました。3日間の催しを通じて、参加者はライチョウや自然環境保護への理解を深めました。
- この記事に関するお問い合わせ先
更新日:2022年10月18日