駒ヶ根市

大御食神社と大宮五十鈴神社の獅子練り

●所在地…赤穂市場割大御食神社
●所在地…赤穂北割一大宮五十鈴神社

 赤穂地区の氏神は大御食(おおみけ)神社・大宮五十鈴(いすず)神社の両社である。秋の例祭の宵祭りには、両神社とも年番氏子によって伝統の獅子練りが行われる。祈りの民俗芸能である、獅子練りの起源については、両神社ともにこれを立証する資料がなく、明らかではないが、次の諸説がある。

大御食神社獅子練り
大御食神社獅子練り
■獅子舞いは唐から伝わり、伎楽(ぎがく)、舞楽(ぶがく)で用いられ、のちに大神楽などで行われる五穀豊穣の祈りや、悪魔を祓(はら)い清めるものであった。
■天竜川の下流に当たる東三河地方で、放下と呼ばれるお盆の念仏踊りがあるが、この踊りの囃子(はやし)が「ソラーイ」の掛け声も入って、両神社の獅子練りの囃子とほとんど同じであるという。
■獅子舞は獅子頭を被って舞う神楽の一種で、二人立ちという二人で舞うもの、一人立ちという一人で舞うものがある。二人立ちの型の中で、胴の部分が長くなり数名で舞うものがあるが、これが両神社の獅子練りの原型ではないだろうか。これを伎楽獅子と呼ぶところもある。
■獅子舞は悪疫災禍(あくえきさいか)を祓う霊獣(れいじゅう)の威力を崇(あが)めたり、野獣が田畑を荒さぬ誓約を神に捧げる演技として、古代では大切にされたという伝承記録もある。
■悪魔祓いの霊獣のお祓い役として、伎楽獅子として変形した獅子舞では、誘導役が重視され獅子と一体となって演技をする。祭列には、道化役(天狗、鐘馗など仮面を着けた者)、或いは、もどき(ひょっとこなど滑稽(こっけい)なしぐさを演じる役)、笛、ささら、棒踊り等、役向きの決まった一団の組織を持つ地方もあったようである。
■阿南町新野の諏訪神社の祭典や、新野の歴史博物館ではルーツが推測されるといわれる。
 南信地方には獅子舞を奉納する神社(寺も含む)は160地区と多い。いずれも五穀豊穣を祈り、悪疫災禍防除の願いが込められている。大御食神社、大宮五十鈴神社も同様である。
 また、両神社の獅子練りには特色がある。
1 大人数で300m余の長大な祭列が、年番集落内を練る。そのうち、定められた場所から神社に向かって練り込む。
2 獅子をあやし、機嫌を取りながら神社まで誘導する。
3 神社前における獅子練りのクライマックスでは、獅子頭を切り落とし、敬虔に神前に捧げる儀式を行う。
いずれも他地区に例を見ない固有のものである。
大宮五十鈴神社獅子練り
大宮五十鈴神社獅子練り
 大御食神社の祭典は、9行政区を5年番区(赤須町一区・二区・三区・四区、小町屋・福岡、市場割、上赤須、下平)に、また大宮五十鈴神社では、5行政区を3年番区(上穂町、北割一区・二区、中割・南割)に編成し、それぞれ5年に1回、または3年に1回毎に順番で奉仕する。
 年番区は、当年を心待ちにし年番の年は総力を上げて準備し実行に当る。
 獅子練りは祭典の中心祭事で、氏神に奉仕する氏子の深い祈りと思いを具現するため懸命に尽力する。さまざまな知恵と工夫があって、祭りは華やかに彩られ、繰り広げられる。
 獅子練りの先頭には、神社の高張灯籠(たかはりとうろう)、年番区の区旗などを掲げ、祭典委員長、祭典青年団長、神社総代等が整列し祭列を整える。長い祭列の拍子をとる囃子(はやし)は、獅子の後方に位置し、大太鼓・小太鼓・横笛で構成、男女青年が多数参加する。祭列が長いと囃子の中継を工夫する。
 先導集団の仮装した、道化(どうげ)、もどきの仲間は、ひょっとこ(ササラを持つ)鐘馗・天狗・青鬼・赤鬼・狐・恵比寿・大黒・おかめ・ひょっとこ(手踊り)山姥(やまうば)・金時(幼児)である。続いて浦安の舞の少女たちで髪飾りがきらめく。
 子どもたちは、男子は傘うちと獅子切り、榊(さかき)持ちは女子、獅子招きは男女、獅子曳きは小さい子どもである。子どもたちも顔に化粧し、華やかな祭り装束を着る。
 長い祭列の後方に、竹を屋台に組み幌(ほろ)で覆った大きな胴体の獅子が練ってゆく。囃子に連れて、すべての参加者はそれぞれの所作(しょさ)を演じ、囃子にソラーイの掛声が入ると前に進む。
 獅子の胴体の屋台には、獅子係の青年が10人余待機し、囃子の2〜3巡目毎に舞を交代する。獅子頭は力強く差し上げられ、あるいは引いて、生き生きと舞う。
 神社前の見せ場の練り込みでは、狂ほしいほど激しく舞った獅子は、最後に獅子切りに討ち取られる。やがて、獅子頭だけに改められ、敬虔(けいけん)に神前に捧げられる。
 高揚した感動を人びとに残して、獅子練りの幕が静かに引かれる。
大御食神社大宮五十鈴神社
祭典時使用の獅子頭神社(社宝)蔵(明和4年・1767) 氏子寄進(6.75kg)神社蔵(昭和3年・1928) 辰野町(旧朝日村)中村蕫斎(とうさい)作
祭典参加者服装浴衣法被(はっぴ)・股引(ももひき)
祭典日9月20日を中心に土曜・日曜日9月23日・24日

※祭礼は代表的な年番区を記してある  

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