駒ヶ根市

市長施政方針

平成22年度施政方針(平成22年3月2日)


「活力」と「にぎわい」と「安心感」に満ちたまちづくりに向けて

はじめに


 本日、ここに平成22年第2回市議会定例会の開会にあたり、平成22年度当初予算案をはじめ、市政の重要な議案の提案説明に先立ちまして、私の市政運営に対する所信の一端を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 
 私は市長に就任して2年余が経過し、迎える平成22年度は折り返しの年となります。この間を振り返りますと、1年目は、最重要課題でありました地域医療を守る取り組みや協働のまちづくりの条例化の推進などに取り組み、2年目は、急速な景気の悪化に伴う緊急経済対策として、学校の耐震化や中小企業対策、雇用の創出などに取り組み、市民生活の安心、安全、安定の実現と地域経済の活性化に全力を傾注してまいりました。
 また、私は常に市民の皆様との対話を心掛け、市民の皆様の声を直にお聞きすることにより、市民の皆様の様々な思いを知ることができると同時に、私の思いも分かっていただき、共に、まちづくりの理念を共有し、それぞれが高め合い、持てる力が発揮できる市政を求めてまいりました。今後も、当市の置かれている状況を的確に認識し、市長として市民の負託に応えられるよう、市政運営に努めてまいりたいと考えております。
 さて、昨年は政治経済において激動の年でありました。我が国の経済は、一昨年後半からの世界経済の急速な悪化による景気低迷が続き、後半には一部に持ち直しに転じたものの、長引く消費の低迷や物価の下落によるデフレの影響が、企業収益や雇用環境の悪化を招き、今もって先行き不透明な状況にあります。
 このことは地域の実体経済にも深刻な影響を与え、雇用不安をはじめとして市民生活にも大きな影響が出ており、多くの市民が将来に不安を抱いているところであります。
 また、国政においても政権交代がなされ、日本の政治情勢も大きく変化し地域主権の名のもと変革の時代を迎えております。
 そこで、市民の皆様が将来に明るい希望を持ち、活力ある地域経済の創出と安心して生活ができる持続可能な地域社会を築いていくことが何よりも大切と考え、平成22年度は、新たな未来への展望を拓き、市民の皆さんの安心安全な暮らしを守り、創意と工夫を結集し、「活力」と「にぎわい」と「安心感」に満ちたまちづくりに努めてまいる所存であります。

国の予算と地方財政計画


 さて、政府が発表しました我が国の平成22年度の経済見通しですが、「景気は緩やかに回復していくと見込まれる」とするものの、雇用情勢の一層の悪化、デフレ圧力による需要の低迷、海外景気の下振れなどに留意する必要があるとしております。また、景気の持ち直しの動きを確かなものとするため、平成21年度第2次補正予算と平成22年度予算を一体として切れ目なく執行するとともに、経済動向を注視し、必要な場合には果断に対応することとしております。
 国の平成22年度当初予算は、「コンクリートから人へ」、「新しい公共」、「未来への責任」、「地域主権」、「経済成長と財政規律の両立」を基本理念に、「国民の暮らしの豊かさに力点をおいた経済・社会」に転換していくことを目指し、平成22年度予算においては、特に子育て、雇用、環境、科学・技術に重点を置くこととし、前年度比4.2パーセント増の規模となっております。
 また、地方財政計画では、地方主権改革の第一歩として地方公共団体が地方のニーズに的確に応えられるよう自主財源の充実・強化として、地方交付税を1兆1千億円加算するなど、地域主権の確立に向け地域に必要なサービスを確実に提供できるよう一般財源総額を確保することを基本とされておりますが、国の「事業仕訳の反映」、「入りを量りて出ずるを制す」、「予算編成改革」等の取り組みと歩調を合わせて歳出全般の抑制を図った結果、計画の規模は0.6パーセント増にとどまっています。

健全財政を堅持し、底力を発揮する予算


 さて、こうした中で、今定例会で提案します平成22年度予算案について申し上げます。
 一般会計は155億円で、前年当初予算対比15億3,500万円、11.0パーセントの増、特別会計は93億4,241万円、前年当初予算対比3.6パーセント減であります。この結果、当市の本年度予算総額は248億4,241万円、前年当初予算対比11億8,517万円、5.0パーセント増となりました。

 歳入のうち、主要な自主財源であります市税につきましては、依然として厳しい経済情勢による個人所得の減少や企業収益の悪化、税制改正等を考慮し、慎重に積算した結果、総額では、前年対比 マイナス8.8パーセントの45億4,150万円を計上いたしました。
 一方、地方交付税のうち普通交付税は、前年対比3億8,500万円(14.5パーセント)増の30億3,500万円を計上、特別交付税は前年同額の3億円を計上いたしました。地方交付税を補完する臨時財政対策債と地方交付税の合計額は、前年対比7億円(20.5パーセント)増の41億1,500万円といたしました。
 これらの結果、一般財源総額では前年対比2億4,900万円(2.7パーセント)増を確保できる見込みとなりました。
 市債は、前年対比2億4,290万円(16.9パーセント)増の16億7,650万円を計上いたしましたが、当初予算ベースで市債発行が元金償還額を下回り、起債残高は前年比1億3,000万円減少し、200億円を下回る見込みとなります。また、起債依存度は、地方財政計画では16.4パーセントとなっておりますが、当市は10.8パーセントで地方財政計画を下回ったところでございます。
 こうした結果、財源不足に伴う基金の繰り入れについては、2億1,000万円を取り崩すことといたしました。
 また、財政指標ですが、いずれも総務省指導数値以内となる見込みであります。

 次に、歳出でありますが、国の新政権の新成長戦略を念頭に置きながら、行政コスト削減や、行政評価による事務事業の見直しを行い、その上で、地域医療の安定的確保を引き続き最重要課題として取り組むとともに、地域経済の下支えと将来への発展基盤の確立を図るため、積極的に公共事業を拡充します。さらに企業立地・雇用等の産業対策、福祉や子育ての充実等を中心に財源を重点配分し、地域の「活力」と「にぎわい」の創出、「安心安全な暮らし」、協働による「明るく希望に満ちたまちづくり」の実現に向けて、底力を発揮して政策にあたる積極型予算とさせていただきました。
 また、国の緊急経済対策に伴う平成21年度第2次補正予算に呼応し、平成22年度予算の一部前倒しを含め、昨年度に引き続き実質「14ヶ月予算」とすることで、切れ目のない連続的な施策を実施することといたしました。

 そこで、平成22年度におきましては、これらの時代背景と認識のもと、計画行政を進めるため駒ヶ根市第3次総合計画後期基本計画に準拠し、7つの政策の柱を立てました。以下、新年度の取り組みについて、順次申し述べたいと存じます。

1 活力とにぎわいのある産業の振興


 一つ目の柱は、「活力とにぎわいのある産業の振興」であります。

 産業界には、世界経済の大きなうねりの中から起きている環境変化に機敏に対応していく力が求められています。緊急の経済雇用対策を最優先課題として取り組みながら、変革に対応できる強い企業体質づくりを目的とした「テクノネット駒ヶ根」の活動を、引き続き産業振興戦略の中核プロジェクトと位置付け支援してまいります。
 また、企業が当面する資金繰りの支援のために中小企業向け融資制度の活用を進めると同時に、雇用を守るために行う教育訓練などの取り組みを支援し、緊急雇用創出事業やふるさと雇用再生特別事業を活用した、就業場所の確保と、新たな雇用創出に向け積極的に取り組みます。
 先月、日進乳業株式会社様が下平工業団地への立地を決定してくださいました。こうした、新たな企業誘致活動を強化するとともに、市内の既存企業の前向きな設備投資を積極的に支援することにより、民間投資を誘発し新たな雇用を創出してまいります。
 さらには新たな成長戦略支援事業として、企業が自ら行う販路拡大への取り組みや新分野進出に向けた専門家派遣など、受注の確保や発展への基盤づくりを積極的に支援してまいります。

 商業の振興では、中心市街地活性化基本計画策定から6年が経過し、商店街をとりまく環境は大きく変化しております。市民活動支援センター「ぱとな」との連携も含め、空き店舗を活用した街なか創業支援事業などにより、賑わいと魅力のある商店街づくりを進めると同時に、市街地の再生計画の策定を進めます。

 郷土の礎である農業でありますが、国においては、食料自給率向上に向け、農地に対する考え方が所有から利用へと大きく転換しています。引き続き、地域で支えあう地域営農を基本とし、これまで培ってきた地域営農システムを基盤に、認定農業者や集落営農組織を支援しながら、農地の面的集約を進めることにより農地活用の効率化を図りながら、市域まるごと農業公園構想の実現に向け取り組んでまいります。また、新たな国の施策であります米戸別所得補償モデル事業と、水田利活用自給率向上事業をセットにしたモデル対策の活用を進めていくなど、農業を守る政策に柔軟に対応してまいります。
 また、年々深刻化している有害鳥獣被害へ対応するため、駆除や防護柵設置などの被害軽減対策への支援を引き続き行ってまいります。

 地域への更なる活力を生み出すために求められる産業間の連携でありますが、「ごまプロジェクト」の活動強化に加え、農産物とその加工を中心とした連携を推進し、地産地消と駒ヶ根ブランドづくりを進め、農産物の付加価値を高め、活力あふれる産業づくりを目指してまいります。
 合わせて、「駒見シルクの里」を中心に、都市との交流や新規就農者の受け入れなど、農山村の持つ魅力を生かした取り組みを進めるとともに、本年度は、更なる農・工・商の連携を図っていくための議論の場を設けてまいります。

 長引く景気の低迷から消費者の節約志向により、観光地を取り巻く状況は大変厳しいものがあります。駒ヶ根を訪れていただくお客様の心に残るおもてなしができる観光地づくりにむけ、専門的な観点からの指導もいただきながら、観光協会をはじめ関係者とともに観光振興アクションプランづくりを進めます。
光前寺
光前寺
 また、本年は県内観光関係者が一体となった信州デスティネーションキャンペーン(信州DC)が行われます。こうした動きに呼応し、光前寺の開創1150年祭と御開帳にタイアップして、「ふれ愛いいご縁イベント」を実施し、地域・観光関係者が一体となって誘客活動を展開するなど、にぎわいのある観光地づくりを進めます。

2 地域で見守りささえ愛の推進


 二つ目の柱は、「地域で見守りささえ愛」の推進であります。

 他人を思いやり、お互いをささえ、助け合おうとする心を持ち、健康で安心感とゆとりを持って生活できる、福祉の心にあふれたまちづくりを市民の皆様とともに進めてまいります。

 経済不況の中で、失業等により生活に困窮する人への支援につきましては、個々の状況に応じて自立の道を一緒に探りながら、利用可能な制度の活用や生活保護等の対応により支援をしてまいります。特に、失業等に伴い住居を失った人への対応として、福祉住宅の活用や住宅手当緊急特別措置事業の活用を図ってまいります。

 障がい者福祉の推進につきましては、福祉サービスの利用増加に伴う給付費を見込むとともに、新たに利用者負担の軽減が予定されており、制度改正への対応に努めてまいります。また、地域活動支援センター「たんぽぽの家」につきましては、地域活動支援センターの機能を残しつつ、就労継続支援B型事業所に移行をしてまいります。
 高齢者福祉の推進につきましては、住み慣れた家や地域で、健康で自立した生活を送れるよう、介護予防や健康づくりに積極的に取り組むとともに、地域づくりやボランティア、生涯学習などの活動や就業を通じて、社会を支える一員として生きがいを持って活動していけるよう引き続き支援をしてまいります。また、ひとり暮らしや高齢者世帯等の方々が、地域で安心して暮らせるよう、地域の支え合いによる見守りや買い物支援などを推進する体制づくりを、国との協働によるモデル事業として取り組みます。
 また、高齢者等の自立を支援する様々な取り組みや介護予防事業が、地域での主体的な取り組みを通して展開されるよう、その拠点施設の整備を進めるほか、近年増加している認知症について、その予防や早期対応を進めるため、健康長寿・介護予防プロジェクト会議を中心に、地域と一体となった認知症予防事業に積極的に取り組みます。
 一方、在宅での介護が困難な世帯が増加し、施設入所を希望する人が多くなっていることから、上伊那広域連合における特別養護老人ホーム施設整備を求めながら、民間事業者による認知症グループホームや小規模多機能居宅介護施設、小規模特別養護老人ホームなどの地域密着型の施設整備も進めてまいります。

3 地域医療再生・健康づくりの推進


 三つ目の柱は、「地域医療再生・健康づくり」の推進であります。

 まず、当市のみならず伊南地域住民の安心・安全を確保するための地域医療を守る取り組みを、引き続き最重要課題に位置付けております。
昭和伊南総合病院
昭和伊南総合病院
 昭和伊南総合病院の運営状況につきましては、昨年2月に策定された病院経営改革プランに基づき経営健全化に向けて、徹底した経費削減や収入構造の見直しを行うとともに、職員の意識改革、職員数や給与の削減などが行われてまいりました。
 あわせて、状況に応じて柔軟に対応できる経営体質への改善を図るため、昨年4月から病院経営を地方公営企業法の全部適用とし、病院事業管理者として坂井先生に就任していただいたところです。現在は、病院事業管理者の指揮のもと、医師の招聘と経営健全化に向けて最善の努力をしていただいております。
 その結果、平成21年度の決算見込は、平成20年度決算と比較し、外来患者数の増加、入院・外来の診療単価の上昇、経費の削減などにより、医業収支で昨年度より大幅な改善となる見込であります。引き続き、病院自身の経営改善努力を求めるとともに、経営基盤強化のため、構成市町村として財政支援をしてまいります。
 医師確保につきましては、平成20年度末では23人でありましたが、医師招聘に向けて取り組んできた結果、本年3月1日現在では25人になっております。また、4月以降の整形外科医の着任も決まり、医療体制が整いつつあります。今後も、市民の安心を守る砦として、事業管理者を中心に医師招聘に努めてまいります。

 国の地域医療再生事業につきましては、上伊那公立3病院のそれぞれが持つ特徴を生かしながら、機能分担と連携を進め、地域医療の再生に取り組むものです。昭和伊南総合病院は現在の急性期医療、救急医療をしっかり担いながら、今後の高齢化社会の進展を展望し、回復期のリハビリテーション機能を加え、小児後方支援機能の拡充等を行い、地域の医療を担う体制づくりを進めていくこととしております。
 次に、市民の健康づくりでありますが、第4次総合保健計画に基づき、生活習慣病予防と病気の早期発見に力を入れ、特定検診、がん検診等の一層の受診を促して行くとともに、検診の結果によって改善が必要な人たちへの保健指導の充実と、料理講座やインターバル速歩の実践など、栄養・運動の両面から生活習慣の改善に取り組める魅力ある教室等を行ってまいります。
 その中で、新たな取り組みとして、市民の健康づくりや生活習慣病予防を食生活の面から応援・協力いただける飲食店などを「健康づくり協力店」として登録し、健康づくりへの意識を高めていく事業や、地域の方々と協働して市内各地にウォーキングコースを設定し、最も身近な運動としてのウォーキングを通して健康づくりの推進を図ってまいります。
 さらに、市民の皆さんが気軽に健康相談や日常的な健康チェックができる「まちの保健室」を、市民活動支援センター「ぱとな」の一角に定期的に開設してまいります。また、75歳以上の高齢者を対象として、新たに人間ドック費用を補助してまいります。

 すべての市民が、安心して医療を受けられるまちづくりを推進するために、国民健康保険につきましては、国保税の応益額において7割・5割・2割の軽減を行い、低所得者の税負担の軽減を図りながら、持続可能な財政基盤の確保と、効率的で適正な事業運営に努めるとともに、後期高齢者医療事業運営の適正化と、各種検診事業や健康づくり事業などに取り組み、市民の健康に対する意識の啓発に努めてまいります。

 次に、運動による健康づくりでありますが、運動の習慣化を市内全域に広げるとともに、子どもから高齢者に至る健康づくり・体力づくりに取り組むと同時に、体育協会、スポーツ少年団をはじめとする社会体育団体と連携し、市民スポーツの振興と、スポーツを通じた交流により仲間づくりと地域づくりを推進します。
 また、社会体育施設では、かねてより地元要望のありました(仮称)下平体育館を建設します。さらに、昨年オープンした南割のマレットゴルフ場の管理棟の建設や市営グランドの照明設備の改善に取り組みます。

4 安心子育て・人づくりの推進


 四つ目の柱は、「安心子育て・人づくりの推進」であります。

 少子化や家庭・地域連帯の希薄化など、社会構造の変化が子どもたちの育ちにも影響を及ぼし、次代を担う子どもたちを安心して生み育てる環境づくりと、生きる力を育む幼児教育の推進が重要な政策課題となっています。

 医療、保健、福祉、教育の連携とネットワークの充実により、子どもの健やかな成長を願う「こまがね子育て10か条」や「食育推進計画」を行動指針として、妊娠期から青少年期までの一貫した支援体制の充実を図ってまいります。
 家庭や地域における子育ての力を高めるため、「キッズわくわく宿」や「ファミリーサポート事業」などへの取り組み支援のほか、新たに保育園、幼稚園に「地域子育て掲示板」を設置し、家庭や地域など関係者が子ども情報を共有し、連携の取れた子育て支援に取り組んでまいります。さらに、幼児教育を推進するため、「幼児教育指針」の策定について検討を進めてまいります。
 食育の推進につきましては、「弁当の日」の取り組みを全小中学校に広げ、「子どもがつくる朝ごはんコンクール」等による子どもたちの食の体験活動の充実や、食育まつり、食育講演会、給食における地産地消の推進など、家庭や地域が一体となった実践活動を推進します。

 現代の子どもたちに生きる力をつけさせ、地域を愛する心を育み、社会力の向上を図るため、地区の青少年健全育成会やボランティア団体とも連携し、宿泊体験やふれあいキャンプ等の機会を創出して、地域での子ども会活動を通じ、異年齢の交流を図り、リーダー養成に取り組みます。
 また、公民館事業、分館事業を通じて市民交流と学習の場を提供し、市民自らが地域課題に取り組んで、地域の活性化を図り、活気あふれる地域づくり、まちづくりを進めてまいります。

 また、子育ての推進としまして、次世代の社会を担う子どもたちを社会全体で支援するため、中学校修了前までの子どもに、一人当たり月額1万3千円の子ども手当を4月から支給いたします。

 次に、福祉医療費の給付事業でありますが、子供たちを安心して生み育てる環境づくりや子育て家庭の経済的負担を軽減するため、通院及び入院について支給対象年齢を小学校2年生から小学校3年生まで引き上げを行うとともに、入院については小学校6年生まで給付対象を拡大いたします。

 少子化対策としましては、妊婦健診の公費負担14回に、本年度新たに超音波検査4回分を加え、妊婦の健康管理の充実や経済的負担の軽減を図ってまいります。また、こんにちは赤ちゃん事業、保育料の軽減措置等についても継続して取り組んでまいります。

 全国的にも先駆的な事業として実施しております、5歳児健診と発達障がい児支援事業ですが、児童発達支援施設「つくし園」で、母子通園及び母子分離通園型による効果的な療育訓練や思春期デイサービスの実施により、発達特性に即した就園・就学支援との連携や社会適応への支援を継続して進めます。
 さらに、駒ヶ根地域自立支援施設「サポートセンターきらら」では、子どもの生活の自立、就労を育む複合施設として、また、障がい者支援の拠点として有機的な事業運営に努めてまいります。

 学校教育では、児童・生徒指導主事を新たに配置し、さらに、生徒相談員を1名増員し、近年増加傾向にある不登校や不登校傾向にある児童・生徒への登校支援を進めてまいります。
 また、本年4月から、県立伊那養護学校中学部分教室を東中学校に開室し、はなももの里分教室とともに、地域の子は地域で学び、社会の中で一人ひとりのニーズに合った生活が送れるよう、地域社会で共に支え合う教育・福祉環境を整えてまいります。

 教育環境の整備につきましては、中学校通学区の一部変更に伴う通学路整備などの安全対策を推進し、さらに、学校給食センターの在り方についても、管理運営方法や建設等について総合的に検討を進め、その方向付けを行ってまいります。
 また、平成21年度からの繰越事業として、赤穂小学校校舎の耐震補強及び大規模改修工事を実施するなど、児童生徒の安全を図ると同時に教育環境の整備に取り組んでまいります。

 次に、文化財の保存、活用についてでありますが、2カ年にわたって進めております名勝光前寺の庭園保存管理計画を本年度完成させ、将来にわたる適切な保存管理を図ってまいります。さらに、市指定文化財「旧木下家」の活用についてモデル事業を実施するとともに、福岡十二天の森の活用につきまして、本年度「活用検討委員会」を設置し、今後の活用について検討を進めてまいります。

 市民の文化・芸術活動の振興を図るため、文化会館を拠点に芸術文化団体の育成・支援を行ってまいります。図書館においては「子ども読書活動推進計画」に基づき、親子への読み聞かせ活動や読書活動の推進を図るとともに、市立博物館では郷土の歴史、文化や自然を学ぶための常設展示や市内芸術家による「駒展」を開催するなど、総合文化センターを拠点とした地域の文化・芸術振興を推進してまいります。また、本年度は、旧看護専門学校跡地を駐車場として整備を行い、利用者の利便性を高めてまいります。

 男女がその特性を生かして社会に貢献し、心身ともに豊かに暮らせる社会を実現することは市民が等しく希望するところです。引き続き(仮称)男女共同参画社会づくり条例の制定に向けて取り組むとともに、市民一人ひとりの個性が尊重される社会の実現を目指します。

5 地球にやさしい環境づくりの推進


 五つ目の柱は、「地球にやさしい環境づくり」の推進であります。

 世界的な異常気象は地球温暖化が主な原因といわれており、二酸化炭素の排出量を抑制した低炭素社会への転換が今大きな課題となっています。
 こうした状況下にあって、本年度は環境負荷の低減に配慮した持続可能な資源循環型社会の実現に向けて、「駒ヶ根市第2次環境基本計画」の一層の推進を図ると同時に、環境白書を作成して市民に公表してまいります。具体的な温暖化防止の取り組みとしては、住宅用太陽光発電システム設置に対する補助制度の拡充、新たな事業者向けの設置補助制度の新設、公共施設へのペレットストーブの導入などにより、クリーンで再生可能な自然エネルギーの普及推進を図ってまいります。
 また、小水力発電計画については、開発候補地点の概略検討に入る予定であります。
 さらに、環境にやさしいまちづくりを推進するため、LED防犯灯の設置を推進し、CO2削減を図ります。

 次に生ごみの堆肥化事業ですが、家庭用生ごみ処理容器及び処理機の購入補助を引き続き推進するとともに、市街地5カ所のモデル地区における分別収集協力世帯の拡大などを図り、できた良質な有機堆肥を希望者に販売し、農地還元を図って安心・安全な農産物を生産するなど、更なる可燃ごみの減量化、資源化を図ってまいります。
 さらに、消費生活相談業務を充実させるとともに、マイバック持参によるノーレジ袋運動の更なる推進を図るなど、賢い消費生活の普及啓蒙活動に取り組んでまいります。2年目を迎えるこまちゃんエコポイント事業につきましては、市民活動支援センター「ぱとな」を新たな拠点として、協働による環境活動、環境教育などに取り組んでまいります。

 また、森林の持つ公益的・多面的機能を生かした保全が求められている中で、間伐等を「長野県森林づくり県民税」等を活用して推進するとともに、育てて生かす森林の再生に向け、池山市民の森や大曽倉市有林などにつきましても、市民や企業との協働、横浜市など都市との交流などを視野に、森林整備とその活用を進めてまいります。
 そのような中、5月には、ふるさとの森づくり県民の集いが当市を会場に開催されます。地域住民や森林づくりを支援する企業、団体などからの参加をいただき、森林に関する様々な体験を通して、更なる緑豊かな住みよい郷土づくりに取り組んでまいります。
 懸念される松くい虫被害対策については、地域住民のご理解をいただき関係機関と協力して引き続き防除対策を進め、被害の拡大防止に努めてまいります。

 また、かけがえのない財産である中央アルプスの自然環境を保全するために、関係する全ての関係者が共通した認識を持ち連携する仕組みを構築することが求められています。
 山岳関係者や学識経験者、市民を含む広範な関係者による協議の場を設けるとともに、県の天然記念物である千畳敷一帯について、関係機関の協力を得ながら、保存管理計画を策定してまいります。

6 安全で地域に密着した社会資本整備の推進


 六つ目の柱は「安全で地域に密着した社会資本整備」の推進についてであります。

 市民生活が多様化・広域化する中で、広域連携の主軸となる国道153号線伊南バイパスは、地域経済の活性化や産業振興として必要不可欠な道路であります。引き続き国、県、飯島町と連携して飯島工区の早期完成に向けて取り組んでまいります。
 次に、南田市場土地区画整理事業ですが、平成13年1月に工事着手以来10年の歳月を要しましたが、本年度、地権者の皆様方の権利を確定する換地処分、土地建物の登記及び清算を行いまして、事業完了の運びとなります。これまでの間、議会をはじめ多くの関係者のご理解とご協力を賜りましたことに対して改めて感謝申し上げます。
 また、将来の活力あるまちづくりに欠かせない便利で機能的でコンパクトな都市生活空間を創造するために、東西軸の幹線道路及び補助幹線道路の整備を進めてまいります。
 そのために、土地利用計画の見直し、都市計画基礎調査の分析、交通量調査などを行い「都市計画街路整備プログラム」の策定に本年度から着手してまいります。また、下平工業団地への企業立地に伴い、アプローチ道路をはじめとする団地内の道路整備や公園整備を進めてまいります。

 地域に密着した生活道路でありますが、歩行者の安全確保と車両の走行性の視点から、通学路をはじめ地域要望の高い道路の歩道の新設・改善、舗装の打ち替え、拡幅改良などを計画的に進めて、安全で便利なまちづくりに取り組んでまいります。

 災害への備えでありますが、当市が東海地震の地震防災対策強化地域に指定されていることから、市民一人ひとりが防災意識を高め、いつ発生するか分からない災害への準備を、常日頃から行っておく必要があります。
 防災対策として、同報系防災行政無線のデジタル化更新事業に着手するとともに自主防災組織の強化を重点課題として、組織強化のためのリーダー養成研修会等を実施してまいります。
 さらに、昨年から市内の土砂災害警戒区域等の指定が始まりましたが、本年度は、その区域や浸水想定区域、避難経路や避難場所等の防災情報を整備した防災ハザードマップを作成して全戸に配布するとともに、特別警戒区域に当たる区域については、国県の支援をいただきながら、治山治水、砂防事業、河川環境整備等の事業推進に努め、災害に強い安心・安全なまちづくりを目指します。

 次に、生活環境の整備ですが、上水道事業は、安全で安心な水を安定的に持続して供給していくことを基本とし、「駒ヶ根市水道ビジョン」に沿って老朽化した配水管の更新及び基幹配水管の耐震化を進め、有収率の向上を図るとともに、切石配水池の耐震化の実施設計に着手してまいります。
 下水道事業ですが、公共下水道では、引き続き福岡、市場割地区の整備を進めるとともに、新たな認可区域であります梨の木、北の原地区に着手してまいります。また、駒ヶ根浄化センターの4池の機械・電気設備工事に着手いたします。農業集落排水では、中割地区をはじめ、4施設の処理場機能診断を実施するとともに、各地区管理組合との連携のもとに、接続率の向上と適正な維持管理運営に努めてまいります。
 合併処理浄化槽設置整備事業の推進もあわせ、本年度末における市内下水道普及率91.2パーセントを目指し、全市全戸水洗化の早期実現に向けて積極的に取り組んでまいります。

 次に、市営住宅でありますが、快適で安全な住環境とするため、今年度は千丈団地の改修に取り組むほか、経塚団地については、隣接している県営ふじやま団地との協働建て替えに向けた基本計画を策定中であり、平成24年度からの第1期建設工事着手に向けて県と協議を進めてまいります。

 また、市民の足の確保のために運行しております「こまちゃんバス」でありますが、駒ヶ根市地域公共交通協議会が主体となり、平成21年度に策定した地域公共交通総合連携計画に基づき、地元懇談会での意見などを参考に、利便性が高く経費効率の良い運行計画を策定し、本年9月から平成24年度まで試験運行を実施いたします。

 老朽化が進んでいる農業用水利施設等につきましては、改修・修繕を行うことにより、生活基盤の安全確保と農林業の振興、防災対策を図ってまいります。特に、基幹水路について、県の農村災害対策整備事業としての取り組みをいただく中で竜西地区の防災対策を推進してまいります。

7 協働・共生のまちづくりの推進


 七つ目の柱は、「協働・共生のまちづくりの推進」であります。

 地方分権の時代においては、新たな公共を担うことが期待されている地域自治組織の活性化や、NPOなどの市民団体や企業も参加した自主的・主体的な公共的・公益的活動の活発化が、今後の協働のまちづくりにとって不可欠です。
 市民活動支援センター「ぱとな」が昨年10月にオープンし、市民レベルでの情報受発信や交流が行われていますが、エコポイント事業を「ぱとな」に委託するなど、さらに、市民全体で、協働のまちづくりが推進されるよう、機能を充実し、支援活動を拡充してまいります。
 また、協働を推進するための支援制度であります「まち普請支援事業」ですが、地域や市民団体にとって利用しやすい支援制度として定着してきておりますが、更なるPRに努めてまいります。

 併せて、一昨年の区長会の皆様のご努力により、自治組織の会計年度などが見直されましたが、引き続き区長会と連携して、自治組織への加入促進、自治組織の活性化に向けた検討を行うとともに、協働のまちづくり市民会議に、より具体的な協働の実践に向けた検討を行っていただくなど、「協働のまちづくり条例」に基づき、更なる推進を図ってまいります。

 また、外国の皆様には、外国語版による生活や行政情報の提供を行うほか、引き続き週3日、多文化共生事業によるポルトガル語の外国人相談窓口を開設し、市民サービスの向上に努めるとともに、新たに多文化共生指針を策定し、外国人と市民との共生と外国人にやさしいまちづくりを推進してまいります。

 行政サービスの多様性・専門性・質の高さが求められる中で、組織の目的やビジョンを明確にし、仕事の組み立て方や組織運営の方法を見直すことで、市民の皆様にとって価値あるサービスを提供できるよう、昨年度に引き続き、行政経営品質向上研修に取り組んでまいります。特に本年度は、モデル職場を設定し、重点的に組織体質改革に取り組むとともに、先月実施しました市民満足度調査の結果を基に、行政サービスの見直しや改善への取組みを進めてまいります。

おわりに


中沢から望む中央アルプス
中沢から望む中央アルプス
 終りに当たりまして、今日の地方自治体を取り巻く環境は、少子高齢化の進行をはじめ、地球規模での環境問題や経済の減速、市民ニーズの高度化・多様化、地方分権の進展など、大きく変動しており、これまで経験したことのない大きな変革の時代を迎えております。
 しかし、どのように変革が進もうとも、市民の皆様が日々穏やかに安心して暮らすことができ、豊かな心を持って生きがいを感じられる地域社会を創り上げることが、行政に与えられた使命であると認識しております。
 変革の時代であるからこそ、職員が一丸となって厳しい局面に背を向けることなく、時代の潮流をしっかり見据え、地域の特性を最大限に生かした駒ヶ根市ならではの特色あるまちづくりを進めていかなければなりません。
 そして、市民の皆様が愛と誇りと活力に満ち、住んで良かったと実感できる駒ヶ根市を築いていくことが、市長である私に課せられた課題であります。
 引き続き、議員や市民の皆様とともに、この困難な時代を乗り越え、夢と希望に向って、勇気と情熱を持って、新しい時代の駒ヶ根市を切り開いていく所存であります。

 議員並びに市民の皆様の一層のご理解とご協力を賜りますよう、重ねてお願い申し上げ、平成22年度の施政方針とさせていただきます。


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平成21年度市長施政方針 (pdfファイル、38793バイト)

平成20年度市長施政方針 (pdfファイル、36014バイト)

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